摂食障害とカウンセリング

 4日(日)までは、かなり忙しい状態でバタバタしていました。何かというと、2月28日(水)と3月2日(金)には小学校の薬物乱用防止教室があるため、その原稿作りの必要があったこと。そして3月18日(日)の漢方三考塾での講義資料作りの締め切りが2月末だったこと。さらに4日(日)の桂記念シンポジウムでの発表を控えこの資料作りにも追われていたこと。これらが一気に集中したのに加え確定申告の書類作成も重なり、先週はパニック状態でした。その分、いまはホッと一息しているところ。
ギリギリまで何もしない悪い癖を直せばいいのでしょうね。

 私の場合、今回のような状況が2〜3週間も続けば、身体のどこかに異常をきたしたかもしれません。ただ、事前にある程度の資料収集を始めてましたから、ギリギリ間に合うとの計算もありました。でも、突発的な出来事が人生には付いてますから、やはりゆとりは必要です。自動車で言えば、アクセルを踏みっぱなしできたので、パーキングで休んでいる状態でしょう。何事もメリハリが大切です。

 さて、摂食障害と言えば最近なら女子フィギュアスケート選手だった鈴木明子さんを思い出します。どんな程度だったかワイドショーネタには疎いので知りもしませんが、「死ななくて良かったね」というのが正直なところです。意外に思われるかもしれませんが、摂食障害は死亡率が高い病気です。ですから重症の場合は入院して治療することになります。薬局にはそんな重度の相談自体ないと思いますが、重度と判断できるなら入院できる病院に紹介します。

 ですから、そこまでの重症になる前に治療を始められればと思うのです。摂食障害は「食べること」の障害なので、表面上は「食べる」「食べない」の応酬です。しかし、本質ではありません。摂食障害の深層に「痩せ願望」などもあるものの、その深層にはコミュニケーションの問題が大きく存在します。対象は母親だったり恋人やパートナーだったりと、かなり近い立場の人となります。

 このコミュニケーションの改善が主な治療目標になっています。方法として、対人関係療法や家族療法、山岡の開発した再養育療法などが有名なところでしょう。いずれも親しい立場の人とのコミュニケーションを通して、「食べること」や自分自身に対する視方・考え方の変化を促します。その結果として摂食障害も治ってゆくのです。日本では認知行動療法を行うことが多いかも知れませんが、「食べること」や「瘦せていること」に対する認知を直接扱うというより、自分自身や周囲の人に対する認知に働きかけたりします。当薬局で行うのは、家族療法を中心に対人関係療法と再養育療法の要素を取り入れた形になります。

 摂食障害は、ホルモンなど内分泌系と自律神経系などの身体症状には死なせないための医学的治療が必要ですし、本質的な深層部分では親しい人との愛着・愛情の問題やコミュニケーションを扱うカウンセリング・心理療法が有効です。ですから、重症で入院するならどちらもできる総合病院や専門施設ということになるでしょう。摂食障害は死す病気だからこそ、生かすための治療が行える総合病院か専門施設になるのです。重症なら非常に死亡率の高い病気だということを忘れないで下さい。


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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