パーキンソン病と便秘

 1ヶ月に3回の東京出張と3回の講演・発表をして少々放心気味になっています。でも、無事全てのスケジュールが終わり、また普段通りの日々を送っています。ただ、暖かくなれば農作業の準備も始まりますし、それ程のんびりともしてられません。自分にやるべきことがあって身体が動くことは、有り難いことですよね。徐々に傷んでくる自身の身体を、大切に使わせていただきます。

 先週参加した長岡市医師会の内科セミナーのテーマはパーキンソン病でした。脳神経の変性により、震えや歩行障害などの症状が出る病気です。アルツハイマー認知症や脊椎小脳変性症などと同様の神経変性疾患で、脳の特定の神経部位にゴミが溜まることで神経が変性してくるとされます。パーキンソン病の場合は、αシヌクレインという物質が黒質に溜まります。同じαシヌクレインでも別のところに溜まれば、レビー小体型認知症になったりします。

 一旦変性した神経は元に戻りませんから、病気は早い遅いの違いはあっても進行してゆきます。ただ、症状をある程度軽減する薬剤があり、できるだけ日常生活に影響が少なくなるように専門医は工夫しています。現在、多種類の薬剤を工夫して使用することで発症後10年程度は症状をコントロールできるようになっているようで、70代での発症ならパーキンソン病の影響を最小限に抑えた生活も可能な状況です。

 ただ、50代・60代での比較的若い年齢での発症では、天寿を全うする前にパーキンソン病の進行による障害を抱えた生活を送らねばなりません。介護保険があるとは言え、健康寿命は早めに尽きてしまうわけです。ですから、予防できるものなら予防策を取りたいものですし、予防できないにしても発症を遅らせる方法を講じられれば、健康寿命を伸ばすことができると思うのです。

 パーキンソン病は発症する20年ほど前から便秘になると言われます。もちろん便秘の人が全員パーキンソン病になるわけではありません。しかし、排便困難型に分類されるような硬い便のタイプでは、注意が必要かもしれません。また、発症の5〜10年前には睡眠障害も出現しやすいようですので、排便困難型で睡眠障害もあるような人は可能性が高いと考えられます。

 アルツハイマー認知症でもパーキンソン病でも脳にゴミが溜まる病気ですから、ゴミの減量・排泄がポイントと考えます。一般的な生活習慣の見直しは専門医の多くが言うことです。その上で、質の良い睡眠の確保と抗酸化物質の摂取で脳を保護するのが重要と思うのです。抗酸化物質でパーキンソン病の発症予防や進行抑制ができるかの報告は無いと思いますが、他の神経変性疾患の報告を参考にして私なりに可能性を探った結果です。ただ、脳は中枢として重要な組織ですから、出入りできる物質はバリアーを通過するものでなければなりませんから、脳で抗酸化作用を発揮できる物質は限られています。

 いくつかの漢方薬にその可能性がありますし、有望な物質(食品やビタミン類など)もあります。それらの中で効果的で続けやすいものを選択することになります。ほとんどの人が、震えなどを自覚してパーキンソン病を意識するのでしょう。でも、進行性の神経変性疾患であっても、何らかの解決策があることを忘れないでいて下さい。



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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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