土曜日・日曜日と東洋心身医学研究会および日本皮膚科学会東京支部学術大会に参加してきました。土曜の午前中は皮膚科学会に、午後は東洋心身医学会に、日曜日は1日皮膚科学会と2日間で18時間を学会参加に費やしました。参加費・交通費・宿泊費を合わせて約5万円かかりました。わが女房殿、この金額を聞いて何か言いたそうでしたが・・・。
私は皮膚病相談を得意としているとは言え、皮膚科学会には属していません。ですから皮膚科学会は初めての参加なのですが、参加しただけのことはありました。特に写真とはいえ実際の皮膚状態を確認できたことは大きな収穫です。
特別講演の北里大学名誉教授西山茂夫先生は「皮膚科診断学−若い人のために」と題し、皮膚は全身状態を反映しているから皮膚だけを見て判断してはいけないと自身の豊富な経験を通して話して頂きました。時間の必要な診察法ですが、ガンや代謝疾患などの病気を皮膚の状態から発見することは大事なことだと思います。
いくつか聞きたい講演や発表が同じ時間に重なってしまい、残念に思うのはいつものことです。迷いながらも優劣をつけ同じホテル内とはいえ彼方此方と移動するので普段より歩くのです。健康のためにはいいことですね。
皮膚疾患と痒みは切っても切れない関係にあります。しかしこの痒みを抑えることが意外に難しく皮膚病の治りを悪くしている原因にもなっています。痒みの原因・新しいメカニズム・開発中の薬・・・など痒みに関する多くの知見がセミナーで聞けたことも大きな収穫です。私の漢方相談に工夫して取り入れようと考えています。
アトピー性皮膚炎のシンポジウムも企画され多数の方が参加されました。基本はステロイドを中心としたガイドラインに沿った内容ですが、どのようにしてステロイドの使用量を減らすかなどデータに基づく具体的な内容は説得力があります。しかし通常は考えられないような使い方をする医師がどこにもいるようで、最高ランクのステロイドを乳児に大量使用し全身性の副作用(普通はあり得ません)を来たしたケースも紹介されていました。
今、重度の帯状疱疹後神経痛(PHN)の相談を受けています。神経ブロックなども効果のない人なのですが漢方薬でも難渋しています。そのヒントにならないかと思ったのですが痒みのセミナーと重なり聞けませんでした。資料請求をしてきたので数ヵ月後に届く資料に期待しています。
あと驚いたことに、皮膚科の治療といえば軟膏・クリームを中心とした外用療法と考えていたのですが、レーザーや紫外線を使った光学治療も相当拡大しているようです。ちょっとした湿疹や皮膚炎などは、私ら薬局やかかりつけの医院で薬をもらったりするような事情もあるかもしれません。
でも特別講演の西山茂夫先生が言った言葉「皮膚病変の現れた理由を知ることが大切。診断とは病名をつけることではない。」が一番印象に残っています。どんな病気にも通じる言葉ではないでしょうか。肝に銘じて今後の相談に活かしたいと思います。
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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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