結核は過去の病気ではない

本日は我が末娘の中学入学式です。薬局の前をスーツや着物で正装した新入生と保護者が歩いています。近所のサクラもふくらんできている様で、周囲は春で溢れていますね。


人気芸人ハリセンボンの箕輪はるかさんが結核に罹っていることがわかりましたね。もうワイドショーなどでも見ているかと思いますが、結核は現在も存在する病気なのです。


抗生物質や抗菌薬が開発される以前は、結核は死亡することのある恐ろしい病気でした。戦中戦後は栄養状態の悪さも重なり、亡くなった方も多くいたようです。今回の箕輪さんの体形(体形で判断すべきではないのですが)を見ると、栄養状態は?疲労は?と確認したくなります。


現代医学は感染症の原因を病原菌に求めて病原菌に対する抗生物質を開発し感染症を治してきました。その一方、漢方家は感染症と言えども、人の抵抗力・治癒力に異常があると考え対処してきました。栄養状態や疲労が気になるのは、漢方家の性なのでしょう。


現在結核の治療は、抗結核剤を2〜3種類併用する多剤併用療法で行われます。これは結核菌の薬剤耐性を抑えるためなのです。最近は数種類の抗結核薬に耐性を持つスーパー結核菌とでも言うべき結核菌が増えてきているとのことです。


耐性菌と抗結核薬のイタチゴッコで、終わりのない戦いですね。抗結核薬のなかった頃、この結核漢方薬が使われた次代がありました。私の漢方の恩師寺師睦宗先生はサイコケイシカンキョウトウなどを使ったと話していました。


キキョウトウ・ショウカンキョウトウ・シャカンゾウトウ・なども結核に使えます。結核は好酸菌の仲間に入りますが、好酸菌症と診断されている方にサイカントウやケイシニエッピイットウを使用して血痰や咳などの状態が落ち着いています。


耐性結核菌が増えてきている以上、抗結核剤に頼るだけでなく免疫系に作用する漢方薬も上手に組み合わせて結核を克服する時代になってきていると思います。

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