例年のことですが農作業が始まると体重が落ちてきます。そして秋から冬にかけて体重が増えます。まるで冬眠に備える動物のようです。稲刈りが終わるまでは活動エネルギーが高いので食べても太る心配は余りありませんから、安心して美味しく頂いています。
ダイエットをテーマに過去何回か書きましたが、拒食症の増加に我々薬業界も関係しているのではないかと胸中を明かしてきました。先週の心身医学系5学会合同集会の食行動に関するシンポジウムで拒食症の発表を行った政策研究大学院大学教授鈴木眞理先生ともそのような会話を交わしたら資料を送っていただきました。
摂食障害患者の誤った食行動は、病気としての摂食障害が起こしている部分もあり複雑です。安易なダイエットから気づいた時には摂食障害になり、悪循環から抜け出せなくなっているケースが多いように感じました。
摂食障害を治すには、本人の意志がある程度必要です。そして周りの協力も重要なのです。摂食障害の発症に、心理的な背景が関係しますから、治す環境を調えることから入れれば理想的でしょう。
ただ親子関係の再構築を働きかけることで、本人とは一度も接触せずに摂食障害を治しているケースもありますから、いろいろな方法を試してみるのがよいでしょう。
私はうつ病に対する心理療法として”対人関係療法”を学んでいますが、水島広子先生は摂食障害に応用されています。認知行動療法も多く行われています。このような精神・心理療法と薬物治療を適切に組み合わせることで、摂食障害は克服できる病気になります。
この1〜2年集中的に学んできた精神・心理療法と専門とする漢方療法を組み合わせることで、摂食障害の相談にのれる準備が整ったように思います。
また鈴木先生から資料を頂いたことで、摂食障害の予防のための啓蒙活動にも力を入れなければなりません。食・成長・身体の生理などの正しい知識がなければ、誤った行動は繰り返されるばかりです。その背景にある心理社会的な影響も小さくするテクニックも普及しなくてはいけません。
多くの人が正しい知識を持つことで、予防にもなりますし治療の援助にもなるのです。学校薬剤師として、摂食障害を発症しやすい年齢の子を持つ親として、取り組むべき仕事と考えます。
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