花粉症と皮膚炎

選挙も終わり民主党の政権が誕生します。今までの閉塞感や未来に対する不安が、今回の政権交代につながったと識者は分析しています。これは政治の世界だけでなく、我々の薬業界にも当てはまることだと自戒しながら努力したいと思います。


新型インフルエンザが流行していますが、私も関係する保育園にインフルエンザ脳症に関する情報を配り出しました。インフルエンザ脳症の発症年齢が主に5歳以下とのデータに基づくと小学校・保育園の保護者には正しい情報を伝える必要がありますからね。


ところで先週金曜に行われた学術講演会。講演が2題あり盛りだくさんでした。そのうち「花粉皮膚炎の最近の話題」と題した東京医科歯科大学医学部皮膚科教授横関博雄先生の内容は、ある程度知識として持っていたものの認識したことのなかった皮膚炎でした。


花粉皮膚炎は、文字通り植物の花粉による皮膚炎です。目の周りや首に皮膚炎症状が出やすく女性に多いという特徴があります。このような特徴から”化粧品かぶれ”と誤解されるケースが多く(医師・患者どちらも)実際の治療に大差ないことから見逃されてきているケースも多いと思われます。


私も花粉症患者さんが目の周りの痒みを訴えてきたら、アレルギー性結膜炎で目が痒いからだろうと考えてきました。その後の懇親会で座長を務めた長岡赤十字病院皮膚科部長の伊藤薫先生とも、花粉皮膚炎の場合も多いのではないかとの結論で一致し今後はもう少し注意深く観察しなくてはと思ったしだいです。


なぜ目の周りに多いか?横関先生は化粧を落とした後のスキンケアが不十分なのではないかと考えているようです。目の周りは皮膚が非常に薄くバリア層が破壊されると刺激を強く受けやすいのでしょう。化粧はシッカリ落とさなくては皮膚に刺激を与えますが、必要以上に落とすとバリア層が壊れてしまいます。


バリア層を壊さない程度にしっかりクレンジングをし、その後皮膚の保護の為にスキンケアをしてバリア層を回復させるのが重要なのですね。


驚きでもないですが、皮膚炎治療の目的に汎用されるステロイド含有軟膏でも皮膚炎が起こることが珍しくないとのことです。やはり2週間ルールで効かないときは、診断・治療を考え直すことだと紹介されていました。

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