改めてうつ病を考える

楽家加藤和彦さんが先日自殺した姿で発見されました。自分の存在意義に疑問を持っていたようですね。私のような未熟な漢方家は無力感を常に感じており、私のほうが存在意義があるか自問自答しなくてはいけないと思うのですが。


うつ病予備軍の私が昨日聞いた講演は『うつ病の診断と薬物治療〜SSRIの特徴とミルタザピンへの期待〜』で講師は日本医科大学千葉北総病院メンタルヘルス科部長木村真人先生でした。


毎年3万人以上の自殺者の原因として”うつ病”は大きな位置を占めています。もちろん根底には経済的問題や健康上の問題があったりしますから社会環境の整備も大切です。その一方で主に対人ストレスにより気分が落ち込み短絡的に死を選んでしまうこともあります。


でも短絡的というより衝動的なのだそうです。「気がついたら身体を傷つけていた」と体験者から私は聞きました。衝動的な行動を含めて如何にして抑えてあげるか医療人としてはここを考えなくてはいけません。


懇親会の席で、木村先生は診断基準に入らないものの死別体験で抑うつ状態が強ければ自殺の可能性が高いので薬物治療を行うべきとされました。身近な人の死は各種ストレス反応の中でも最高の点数が付いていますから、慎重な対応が必要ですね。


厚生労働省の統計によれば、うつ病の有病率は女性8.3%男性4.2%となっていて女性が男性の2倍罹りやすいのです。これは男女平等社会となった今でも、女性が家庭に入りことが多いことも関係しているようですし、女性特有の生理周期(ホルモンバランス)などが影響するようです。そうすると女性のうつ病に対して漢方薬は非常に有望な選択肢となるでしょう。


さてうつ病に関してまだまだ一般の方の認識は低いと考えた方が良いでしょう。5割以上の方が身体症状を訴え内科を受診します。そしてうつ病の精神症状は自分からは訴えない傾向が示されました。このことは顔つきや目の輝き・姿勢など総合的な判断をして、うつ病の存在を疑わなければなりません。


私は今、うつ病に対しては精神療法を中心に勉強しているのですが漢方薬の使い方も工夫の余地があります。最近の薬物は治療効果が早期に現れるようになって来てますから、漢方薬や精神療法は補助療法的な位置づけになりそうです。漢方薬の効果を早めたり高めたりするのに精神療法は有効だと思うので頑張って勉強します。


いつかは、漢方薬と精神療法の組合せでも最近の薬物と同程度の速効性が得られるようになりたいと考えています。今一生懸命勉強中ですから、もう少し待ってください。

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