女性に多い狭心症

昨日も講演会に出かけてきました。外科手術においては宗教上の理由で輸血を拒否する方がいます。この場合医師はどうするか?今法の専門家を交えてガイドラインを作っているようですが、単に目の前の命を救うことが出来ない現状にチョット疑問を持たざるを得ません。


昨日の講演会は生命倫理に関する内容がありましたが、話はガラッと変わります。先日、女性特有の狭心症状かな?と思えるケースがありました。そもそも狭心症自体検査に現れにくいようなのですが、相談のケースもハッキリとした特徴がなく、したがって治療されていませんでした。


ふつう狭心症は心臓の周りの冠動脈の太い血管が一時的に血流が低下して、胸苦しさなどの症状を伴うものです。動脈硬化などが原因だと体を動かした時に症状が出やすいので労作狭心症と呼ばれています。


これとは別に不安定狭心症と言われるものもありますが本日は省きます。そして冠動脈の細い血管の血流が低下して起きる狭心症もあり、女性に多い狭心症として注目されています。


相談された方は70歳前後の女性。胸苦しさを訴えていますが、内科で諸々の検査をしても原因はわからないまま症状が続いていました。心臓だけでなく呼吸器・消化器の病気の可能性も考えましたが、所詮薬剤師にできることには限界があり、これといった特徴は漢方的にも掴めませんでした。


あとはいわゆる治療的診断をするだけです。女性型の狭心症であれば放置することはよいことではありません。中国で開発された冠動脈血流改善剤”冠丹元”を使うことにしました。この”冠丹元”には婦人科疾患に使う生薬も使われています。


10日間の服用でその胸苦しさは消えていました。心身症的な訴えのある方なので、違う症状を今度は言っていましたが効果はあったようです。なかなか薬局に胸苦しさで相談されることは多くありませんから、今後も同様のケースがあれば積極的に使ってみたいと考えています。


この”冠丹元”製剤は、狭心症に使うニトログリセリンの使用を減らす効果が報告されています。8〜9割で狭心症の発作を予防できるのですから、その効果は確かと言ってよいでしょう。


今回はとりあえず、女性特有の狭心症と思われたケースを経験したので報告しました。これから寒くなると心臓に負担のかかる事が増えます。入浴での事故も増えます。気をつけて残り少ない今年を過したいものですね。

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