乾癬と生活習慣病

暦は立春を過ぎたのに、長岡より雪の少ない新潟市が大雪で混乱状態のようです。暖冬・小雪と言った方は、どのような気持ちでしょう。この冬は、口を開けば雪の話題ばかりですね。早く本当の春が来ないかと首を長くして待っています。


昨日は乾癬の新しい治療薬、TNFα阻害薬の講演会がありました。『乾癬治療新時代〜TNF阻害薬の使用指針と安全対策マニュアル〜』と題し、自治医科大学皮膚科学講座教授大槻マミ太郎先生による乾癬治療におけるTNF阻害薬の位置づけや使用上の注意が主な内容でした。


新しい治療薬はリウマチやクローン病など、自己免疫疾患に使われています。TNFという炎症性物質の働きを抑える作用があり、難治性の乾癬にも優れた効果があります。でも免疫系を抑える薬ですから、感染症などに対する注意が必要で切れ味鋭い両刃の剣のような印象です。皮膚科領域では皮膚科専門医に限り使用が許可されるようです。


さて、TNFは私の過去のブログで登場したかもしれません。糖尿病やメタボリックシンドロームの元凶とされる内臓脂肪細胞から分泌される物質の一つです。そのようなことから肥満対策も乾癬治療には重要な方法なのです。


講演の中で、脂質異常症高脂血症)や糖尿病の治療により乾癬が改善することがあると紹介されていました。発症年齢は男性では20代以降に多いことからも、肥満との関係が深いように思えます。女性では10代以降に増えてますが、月経や脂肪の代謝と関係しているかもしれません。


治りにくい皮膚疾患を考える時、栄養素の欠乏ということは考えますが、肥満との関係はあまり考えません。でも5kg程度の減量では効果はあまりないと言っていましたから、内臓脂肪の分泌するTNFだけでは説明に無理がありそうですね。


ただ内臓脂肪と皮膚症状を関連させる必要が今後はあります。もとより漢方は全身治療ですから、今までも同様の視点だったのですが更なる展望が開けたような気がします。


乾癬はこのような背景から、今後も増えるでしょう。食事や栄養は摂りすぎず不足させずちょうどよく摂ることが重要です。加えて運動をすることも忘れてはなりません。どんな病気でも、食事と運動に結びついてきますね。

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