桜の開花宣言が出た東京と違い、新潟県はかなり寒い感じがしますね。今年は春が遅いのか、冬が長いのか、雪は私の住む長岡では山間部以外はかなり消えたものの、昨年は春の山野草が咲いていたことを思えば、春はまだまだと言った感があります。
薬を効かせるには、薬効成分が体内の必要なところへ届かなくてはなりません。これは現代医学であろうが漢方医学であろうが変わらないことです。業界ではドラッグ・デリバリー・システム(DDS)と言います。必要なところへだけ送ることが出来れば効率的な治療ができるだけでなく、少ない薬で同じ効果を出したり、副作用を少なくしたりすることが出来ます。少ない負担で大きな効果をあげることができるのです。
京都府立医科大学の研究によるとゴオウは肝臓の血流量を増やすことが確認されています。つまり血流が増えることで、肝臓に流れる薬物の量が多くなると考えることが出来ます。このことは肝臓に効く薬とゴオウを一緒に使えば、薬の効果が高くなると考えても良いでしょう。
一方で肝臓は薬物などを解毒する働きもあり、肝臓に大きな負担がかかることも考えられます。事実、京都府立医科大学の研究でも、肝障害性の薬物とゴオウを組み合わせると肝臓の機能が悪化しています。
ただ、ゴオウ単独では悪化した肝機能が熊胆(クマノイ)を組み合わせると、逆に改善するのです。このことでゴオウと熊胆を組み合わせると肝臓の負担を減らしながら肝臓に薬物を届けることができると考えられるのます。
例えば肝臓ガンの場合、抗癌剤の副作用を軽減しながら、肝臓では抗癌剤の効果を集中させ、なお肝臓の負担も軽くしなくてはならないという矛盾したような方法が可能だと思うのです。
ゴオウも熊胆も、高価な生薬であり誰でもできる方法とは思いません。ただ、京都府立医科大学の研究では、どのような治療でも肝機能の改善しなかったケースにゴオウと熊胆を使用したら、見事に肝機能が改善したこと、その後使用の中止で悪化し、再使用で再び改善したことを報告しています。
また熊胆の主成分はウルソデオキシコール酸ですが、使用した熊胆の量は現在使用されるウルソデオキシコール酸の1/10に足りませんから、ウルソデオキシコール酸が効いたとは考えにくく他の複合成分との相乗効果だと考えられ、やはり熊胆でなければダメなのでしょう。
肝臓ガンで漢方薬を飲むにしろ、現代医学的な治療をするにしても、ゴオウと熊胆を組み合わせて使うことをお奨めします。また肝臓癌にはなっていないが、C型肝炎・B型肝炎で肝機能が改善していないケースほど肝臓ガンへ発展しやすいことから、予防の意味合いも含めてゴオウと熊胆を使って肝機能を改善させたら、肝臓ガンへの進行を遅らせることができるのではと考えます。
文献を見ると、非常にきれいなデータが出ているのですが、高価なことが欠点です。主成分を化学合成した薬品に変えても同様の効果は出ないことから、安価な提供方法は現在見つかっていません。ここが提供側としては一番苦しむところですね。
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