40代の不妊症

先月、嬉しい報告が飛び込んできました。42歳の女性からの妊娠報告です。相談開始から半年足らずでの妊娠報告に私もびっくりですが、年齢が高かったので、漢方薬だけでなく複数の補助薬を使う提案を受け入れてくれたことも今回の結果に結びついたのでしょう。でも、これからもリスクが高いので出産まで、まだ油断はできません。安胎薬としての漢方薬で流産予防をしながら無事出産までたどり着きたいものです。

さて、年齢が上がれば上がるほど自然妊娠しにくくなります。いろいろな要因が関係しますが、漢方では《腎》の働きと密接に関係していると考えます。《腎》は腎臓を指すのではなく、泌尿器系・生殖器系・神経系・老化システムなどを包括する概念です。35歳以降の女性は、何らかの形でこの《腎》の機能低下があると見た方が良いように思います。

この方は、40歳を超えていたので自然妊娠のタイムリミットも迫り、《腎》を強化して生殖機能を高める必要性があると考えました。ただ、漢方薬だけではその働きは弱いと思い、《鹿茸》を1日500?〜1000?追加して最高のコンディションを早期に作り上げることを提案しました。通常は費用の点で、この提案を受け入れてもらえないことが多いのですが、この方は受け入れてくれたので意外に早い妊娠報告が頂けたのかもしれません。

また、現代医学的には卵子の硬さが受精を困難にしているといわれています。40代は血管でも動脈硬化がある程度進んでいます。当然卵子も硬くなっていても不思議ではありません。卵子表面を柔らかくする方法(すなわち受精しやすくなる方法)としてビタミンEを300〜400?追加する方法も提案し、受け入れていただきました。私は、うつ病などの精神疾患も専門にしていますが、神経ネットワークをスムーズに機能させる方法としてEPA(エコサペンタエン酸)を応用している研究者がいます。今は、ビタミンEとEPAを組み合わせる方がより確実ではないかと考えています。

この方は冷えが自覚症状としてありましたから、最初は当帰四逆湯を使用しましたが、自覚症状に変わりがないため甘草乾姜茯苓白朮湯に変更し、これで妊娠が成立しました。漢方薬は、体のバランス状態を改善し、自然な妊娠を促す土台作りに必要です。そのうえで補助薬をどのタイミングでどのくらい組み合わせるかが大事かなと思います。

今までは、費用が上がるので私もあまり積極的に紹介してこなかった補助薬ですが、今回の経験を踏まえ30代後半以降の人には薦めてみようと考えます。


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