今回は、マインドコントロールを憎む一人の心理カウンセラーとして書いてみようと思います。
私たちヒトはコミュニケーションを求めながら生きる動物です。人生の出来事の中で、そのきっかけはある日突然訪れます。身近で大切な人を失ったとき、物事がうまく進まない時、「人生って何?」と悩んだとき、あるいは友人や影響力のある人からの紹介で、カルトなどとの接触が出来上がる。
中島さんの場合は“占い師”でしたが、一般的にはカルト教団がマインドコントロールを駆使して人格を操作していきます。社会との接点を減らし、その代わりにカルト団体との共有時間を増やします。コミュニケーションの割合を一般社会からカルト側へ多めに移していくのです。その結果、自然と(場合によっては半強制的に)カルトの考え方を受け入れていくようになります。恐喝などを使って強制的に思考の変化を指せる場合は、洗脳と呼ばれています。
接触時間が増えれば、同じような考え方を繰り返し繰り返し伝えることで、当初は疑念があっても(「そんなことはないだろう」⇒「ひょっとしたらあるのかなぁ」⇒「たまにはあるのかもしれない」⇒「あるんだ」)徐々に信用するように変化します。宗教など団体で活動する場合は、仲間がいるからさらにその考えは強化され促進されると考えられます。
その一方で、組織の考え方を否定するような概念(一般常識など)は、間違った考え(真理へのハードルなどと称し)として植えつけてゆき、そのような考えをする人(組織外の人)を敵対視して(悪魔・サタン・地獄などと表現する)さらに一般社会から隔離しようとします。こうなると立派にマインドコントロールは成立していますね。
あとは、組織に都合のいい考え方を、どんどん植えつけてゆくだけですが、マインドコントロールによって、正常に判断する力を失っていますから、どんな考え方でも受け入れてしまいます。オウムの一連の事件は、一般社会から見ればおかしな考えですが、信者にすれば当然の考え方なのです。だから凶悪犯罪でも平気で行うことができるのです。
さて、脱マインドコントロールは、この逆です。少しずつ接点を取り戻し、いろんな考え方があることを認識してもらう(認知療法の技法)。家族・友人はコミュニケーションの方法を見直し(カウンセリングマインドや対人関係療法的な技法)被害者を無条件(原則的に)に受け入れてゆくようにします。時間はかかりますが、この方法が確実な方法ですから、直接本人とのカウンセリング時間が取れなくても(当初は取れないことが多いものです)家族や友人に、家族療法的に接することで間接的にカウンセリングするようにします。
中島さんは、今回無事に占い師から引き離せたとのことですが、マインドコントロールの解除はこれからです。時間がかかっても成功することを見守りたいと思います。
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