これからの薬局の花粉症相談は・・・

冬の長かった当地長岡でも、花粉症が始まりました。目や鼻の局所症状に対し、点眼薬や点鼻薬などの局所治療薬が中心になります。そして、点眼薬や点鼻薬で効果不足の場合に抗ヒスタミン薬の内服が行われます。使用成分に違いはあるものの、薬局でも病医院でも基本的に変わりません。

ヒスタミン薬はヒスタミンをブロックすることで、くしゃみや鼻水や目の痒みなどの症状を軽くするのですが、同時に眠気やのどの渇きなどが副作用として現れます。眠気は脳の中でのヒスタミンの働きがブロックされることなのですが、集中力や判断力にも悪影響がありインペアードパフォーマンスとして知られています。また学習能力も障害され、抗ヒスタミン薬を服用していると7割も減弱するとのデータがあるのです。

さて、薬局で販売される薬の大部分は、抗ヒスタミン薬にクロルフェニラミンが使用されています。第1世代の抗ヒスタミン薬に分類されるこのクロルフェニラミンは、脳でのヒスタミンの働きをブロック作用が強いのです。病医院で使用される抗ヒスタミン薬は、第2世代が多くなっており、当然脳でのヒスタミンブロック作用は弱いため、集中力や判断力の低下は弱くなります。一部の薬剤は、車の運転に対する注意が必要ないレベルにさえなっています。

長期間使用され安全性がわかっている第1世代、一方で脳の働きを抑える作用も強く集中力や判断力や記憶力なども低下させます。第1世代の欠点を改善して出てきた第2世代は、私が得ている資料によれば効果は劣らずに副作用を低く抑えています。ただ、長期間の使用経験が少ない分、まだ安全性は第1世代ほど高くはないでしょう。でも私は脳の働きへの影響度を考えると第2世代の抗ヒスタミン薬を薬局でも中心にするべきだと考えています。少なくとも、私が飲んだり家族や親しい人が使う場合は、第2世代を中心に考えるでしょう。

薬は、特に薬剤師が関与する割合の高いOTC医薬品では、優先されるべきは安全性であって、効果よりも優先度が高いように思うのです。しかし、安全性が高いが効かないでは消費者・市民は納得しませんから、安全性を優先しつつ最大の効果を得られるように考えるのが薬剤師の技術でしょう。

薬局で提供できる第2世代の抗ヒスタミン薬もありますし、私には漢方相談という技術もあります。これらは、脳の働きを損なうこともほとんどなく、効きめも第1世代と遜色ありません。今までの第1世代の抗ヒスタミン薬を否定しませんが、安全性を考慮して、また欠点を補う別の選択肢としての第2世代の抗ヒスタミン薬や漢方薬も、選択肢として提供したいと考えています。


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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