クローン病・潰瘍性大腸炎を考える

昨日行われた学術講演会。難治性の自己免疫疾患であるクローン病潰瘍性大腸炎に生物学的製剤を使った場合の有用性についてでした。
ステロイドを中心とせざるを得なかった少し前の時代と比べ、病人の日常生活は格段によくなったのが生物学的製剤の登場でもたらされたのです。

しかし1回数万円〜10万円の薬剤であるから公的な補助がなければ治療を受けられないのも事実です。これらの生物学的製剤は、関節リウマチや尋常性乾癬などにも効果がありますが、知り合いのリウマチ専門医の話では、費用のため治療をためらう方もいると言ってました。

この製剤がターゲットとするのは、TNFαという体内物質。日本において増加傾向にある自己免疫性疾患には、食事の欧風化が一因と言われています。そこで浮かんだのがメタボリックシンドロームメタボリックシンドロームは、身体の脂肪細胞の増加により生活習慣病がいくつも重なる病態です。そして、脂肪細胞から分泌される物質の一つがTNFαなのです。

クローン病潰瘍性大腸炎は、下痢を主体とすることから痩せた人が多いのですが、痩せているから脂肪細胞が少ないと飲み方は正しくありません。痩せた女性の脂肪肝は珍しくありませんからね。

免疫機関としての腸を考えれば、食事によって腸内の細菌は変化します。この腸内の細菌バランスの乱れが、免疫機構の破壊につながり、自己免疫疾患に関係してくるとの考え方も成り立ちます。事実、漢方薬の使用により、腸内細菌のバランスに変化が見られるとの研究結果もあり、漢方薬が効果を現す時には薬としての作用の他に、腸内細菌のバランスを変化させ免疫系を正常化させる食事としての間接作用もあるのだと思います。

すると、私のところはササヘルスというクマザサ製品を扱っていますが、クマザサの生い立ちを考えると腸内細菌のバランスの正常化に寄与するでしょうから、間接的な作用は期待できますね。1日100円前後から使用できますから、経済的でもあります。

そして、漢方薬が使えれば、トウカトウ・オウゴントウ・ハクズオウトウなどがあります。学会報告でもかなりの有効性が出てますから、漢方薬も一つの選択肢に上ることでしょう。生物学的製剤が免疫系を抑えることによる効果はすばらしいものですが、抑えすぎは感染症や発癌のリスクも考えなくてはいけません。

そう考えると、食事を中心に自分の生活を見直すことは重要ですね。和食は塩分を工夫すればすばらしい健康食です。脂肪の摂りすぎが、ややこしい免疫バランスの異常として、アレルギーや自己免疫性疾患の増加に関係していることを肝に銘じましょう。


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