手荒れの時期です

どうもペースがつかめず、ダラダラと書き込まない日が増えてしまいます。できるだけ、いいペースを作ろうと努力しますね。

さて、寒くなってきました。手荒れで悩む女性には嫌な時期になってきましたね。大抵の手荒れは、恐らく○ラチ○ミンなどを使えば、ある程度改善することと思います。そう、ある程度は・・・。

手荒れが起こる仕組みは、寒さと乾燥による皮膚バリアの減少に加えて、お湯の使用など皮膚バリアを破壊しやすい状況が関係します。これで、初期の手荒れになるわけです。この時期は、基本的に皮膚バリアを人工的に作ってやれば手荒れは改善に向かいます。しかし、多くの場合、1日何回の手入れをするでしょうか?皮膚バリアの補強が皮膚バリアの破壊に追いつかない場合、症状は進行することになります。
初期に使われる一般的なクリームの保護効果がどのくらい持続するかが重要なカギを握ることになります。
ワセリンを使う人もいることでしょう。私はAEP軟膏がワセリンより使い心地がよく、なお効果が持続的なのでおすすめしています。乾燥が強ければ、保湿ローションとの併用がおすすめです。
○ラチ○ミンを使っても構いませんが、20%までは必要ありませんね。文献によると10%と20%の違いはなかったとのことですから、少ないほうが皮膚への悪影響も減りますから。当薬局では、10%のUHクリームを使うことになります。使用感は先のAEP軟膏よりいいのですが、保護効果は劣りますね。どちらを優先させるかです。

ただ、進行した場合は、角層がはがれ皮膚炎を起こしてきます。進行性指掌角皮症(KTTP)と言われる状態になることもあります。この皮膚炎を速やかに治すには、ステロイド軟膏が必要です。副作用の問題で、毛嫌いする方も多いのですが、速やかに治したほうが結果的に少ない量のステロイドで済むことと、内服ステロイドの副作用とごっちゃになっていることが多いので、丁寧に説明するとステロイド軟こうを使っていただけるケースが圧倒的です。
この時期にも、○ラチ○ミンを使っている方がいます。悪いとは言いませんが不適切でしょうね。尿素の角質軟化作用を考えると、尿素は使いたくありません。ステロイド軟膏+AEP軟膏がベストです。また、皮膚炎ですから、皮膚炎の原因除去を考えなくてはなりません。多くは洗剤の使用法に問題があります。手袋も使用せず、洗剤を手に持ったスポンジに直接乗せていませんか?洗剤はそのまま皮膚のバリアを奪い、皮膚炎の原因になります。手袋の着用をおすすめします。

また、指先のアカギレができる方もいます。もちろん○ラチ○ミン程度では改善しません。それどころか、逆に滲みてしまうかもしれません。アカギレを早く治すには、紫雲膏をアカギレ部分に埋め、サリチル酸軟膏で指先の皮膚を柔らかくすることが大切です。なぜなら、乾燥して固くなり柔軟性を失った皮膚だから、パックリと割れてくるのですから。

以上の薬を、私は「手荒れ」の状態によって使い分けています。私が皮膚病を勉強しだしたころ、7〜8割治っても、残りの2〜3割をどうするか考えなくては駄目だといわれたのが今も頭に残っています。一般的な治療法がダメだった時、2番手・3番手の治療法があるかないか、そこが専門家への分かれ道だと。
100%ではないかもしれませんが、治りにくい手荒れでお悩みの方は、一度相談ください。


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