食事・腸内環境・プロバイオティクス・・・

12月7・8日と名古屋で行われた日本心療内科学会に参加してきました。今回は「繰り返すうつ病に対し、薬局での漢方薬認知行動療法寛解に至った一例」と題した発表を行ったため、発表の準備などで先週はバタバタしてブログが10日ほど空いてしまいました。

興味深い発表もたくさんあったのですが、中でも印象に残った発表は、強迫性障害が食事を改善することで治ったケースです。以前から、食事の重要性は、私も伝えてきていますが、やはり実際の病気が改善したケースを直接聞くのは大きな影響力があります。食事指導そのものは「ごく普通の食事をしなさい」くらいの軽い指導だったみたいですが、やはり身体は食から作られるのです。

以前、農学は製造(体を作るの意)医学は修理と聞いたことがあります。作られたもの(身体)がしっかりしてなければ修理の仕様もありませんよね。改めて食事の確認をしていくことを忘れずにしようと思ってきたのです。さらに、ランチョンセミナーで聞いたオートモレキュラーなる栄養療法。ビタミンやミネラルを補充することで、うつ病などの精神疾患が治癒する仕組みを理解しました(一応)。その話の中で、最近言われているプロバイオティクスなる腸の最近バランスの改善も、アレルギー疾患・自己免疫疾患・自律神経失調症状・生活習慣病など、多くの病気との関連も浮かび、胃腸機能を体の中心においている漢方医学と重なっています。

私が考える医療は、極力薬を使わない医療。やはり、薬に副作用はつきものですし、種類が増えれば予想のつかない副作用や障害が現れる可能性がありますから。そのために漢方の勉強を続けているわけですし、心理療法も積極的に学んできました。食事や栄養は、もともと漢方の延長にあるものですから、重要性に関しては認識していましたが、もっと積極的にかかわったほうがよいと考えます。ただ、極端な食事療法は、有害にも成り得るし、食事の楽しみという側面も奪いますので賛成できません。

下世話な話ですが、少ない薬で治すというと当然収入は落ちます。栄養指導や食事指導ではお金は取れませんから、ちょっと悩むところですが、何とか成果を上げたいと思います。時間と交通費と学会参加費などを出費して、技術を磨いても収入に直結しないのは、なんとも悩ましいとは思いますが・・・。私や家族など私の大切な人が当事者ならしてもらいたいことを実行することですよね。利益のために、私がしてもらいたくないことをお客さんに勧めることは、人としてどうかと考えます。

薬を極力少なく使うから、治るまでの時間は多少長くなります。でも、薬だけで治したって、根本の生活が変わってなければ、また再発します。あるいは違う病気が出てきます。だから、より根本に近い部分を改善しようと、漢方薬であり、心を見つめるカウンセリングであり、食事や栄養であり、睡眠を含めた生活リズムなど、を考える必要があると思ったのです。

慢性疾患や生活習慣病の治療を考えるとき、病気の原因を考えることは重要ですが、それだけでなく「なぜ、あの人は病気にならないのか?」「何が病気の回復を妨げているのか?」「このままだと将来どんな危険が生じるのか?」など、健康生成論などの視点が重要になります。改めてセミナーなど、いろんな機会にこの考え方を紹介してゆきたいと思います。
第一弾は「薬局発のプロバイオティクス」かなぁ・・・。

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