じんましんが治りにくい時

7月並みの暑さになったかと思えば、4月頃の気温に下がったりと、この気温の変化にはなかなか身体もついていけません。高校時代の同級生で耳鼻科の医師に聞いたら、まだインフルエンザが出ているとのこと、流石に異常?の言葉が頭をよぎってしまいます。全身が不安定なこの時期は、体のどこがおかしくなっても不思議ではありませんね。

時折、じんましんの相談を受けます。当薬局は漢方相談を掲げてますので、通常は皮膚科にかかっても効果がなかった方が相談に訪れるわけです。じんましんの原因は多岐にわたり、また原因がはっきりしないことも多いのですが、治療法は主にヒスタミンの働きを抑える薬(抗ヒスタミン薬)が用いられます。ヒスタミンは体内でいろいろな働きをしてますが、皮膚では痒みの原因になる物質だから、この働きを抑えてしまえばじんましんの症状は改善に向かうとの理屈です。
一方、脳では注意力・集中力などにもかかわっているため、この働きを抑えると眠気などが出てきます(個人差はありますが)。

ですから最近は、脳でのヒスタミンの働きを抑え過ぎないような薬(第2世代の抗ヒスタミン薬)が医療現場では主に使用されてきているのです。薬局でもスイッチされた第2世代の抗ヒスタミン薬が販売できるようになっていますが、まだまだ薬局やドラッグストアでは古いタイプが主流ですね。

さて、これらの標準的な方法でも改善しない場合が、私のところの相談のメインになるので、あれこれと頭を悩ますことが少なくありません。いろいろな可能性を考えて、質問をしてゆくわけです。じんましんの発症パターンからヒントを探ったり、便秘や生理など体調との関連を探したり、食事を疑ったり、漢方的な冷えや熱などの可能性を考えたり、ストレスの関与がないか確認してゆきます。
上手くいくと数年来の頑固なじんましんでも1〜2か月で改善に向かってゆくことがあるのです。
仕上げには再発を予防できるように、治った方法を元に生活上のアドバイスを加えて終結になります。治ってからが重要なことはじんましんに限らず多くの病気に当てはまることです。単純に抗ヒスタミン薬だけで症状を抑えるだけでは、再発防止のオーダーメイドなアドバイスはできません。

過去の経験から原因をあげると、体を急激に冷やしたりしたケースが多いように思います。エアコンの普及により、あせもで苦しむお子さんは減ったものの、過剰な使用によって発汗を急に止めることは身体には良くないようですよ。発汗を調整する漢方薬やこもった熱を解消させる漢方薬で改善しています。便秘やアルコールが原因だったケース、歯周病が原因と疑われたケースなどもあります。これらの要因に、ストレスや不規則な生活が重なると事態は複雑になります。

治りにくいじんましんには、治りにくいだけの理由が存在するのです。その理由を一つ一つ探し出して対策をとってゆかねばなりません。私と相談者の二人三脚が上手くいって初めてゴールにたどり着けるような気がします。でも、必ず身の回りにヒントがあるはずなので、注意深くじんましんの様子を観察していただきたいと思います。

今回の内容は、慢性じんましんの場合で、数日以内で治まる急性じんましんには当てはまるものではないでしょう。でも、皮膚病の原因は、皮膚以外にも多くあることを知ってほしいと思いますし、治りにくい皮膚病の場合には皮膚の治療と合わせて内臓や生活パターンなどを見直すことでヒントが得られると思います。
私も大変ですが、お困りの時には一度ご相談ください。


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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