腰痛・膝の痛みの対策は・・・

11日・12日と東京で行われた合宿形式の漢方勉強会。医師・歯科医師・獣医師・鍼灸師・薬剤師とバラエティに富んだメンバーが集まります。年1回とは言え、各方面の情報を集めるには格好の機会で、和気あいあいの雰囲気ですから自分の思い付き段階の考えの妥当性を確認する意味でも貴重な場です。私は、昨年の改善に乏しかった失敗例をまとめて考察した結果を発表してきました。概ね妥当な反応を得られたので、さらなる満足度の向上につなげたいと考えています。
まぁ、今週は薬局での本来の業務以外が立て込んでおりました。地元のラジオ「FMながおか」での収録、小学校での学校保健委員会において生活習慣についての短い講話、そして薬剤師仲間との勉強会の資料作り、とバタバタした日々でした。来週も小学校での薬物乱用の講演があり、来月の皮膚科心身医学会での発表資料も作成にかからねばなりません。ちょっと落ち着かない日々です。

さて、漢方勉強会での特別講演は鍼灸についてでした。肩こり・肘や膝の痛み・腰痛・関節痛・神経痛などの痛みだけでなく、後遺症などによるしびれや麻痺、あらゆる体調不良に応用されています。基本的な考え方は漢方医学と共通するので、組み合わせると相乗効果も期待できるとの内容でした。近くに鍼灸師がいると何かと協力的にできるなぁなどと考えています。

痛み・しびれ・麻痺は私が今年のテーマとしている症状です。断片的な情報はあるものの統合させて(欠けている部分は補い)、実臨床に効果的になるよう研究したいと思っています。”痛みに対して鎮痛薬”だけでは残念ながら満足できる結果にはなりにくいことが、整形外科だけでなく整骨院鍼灸院・整体・カイロプラティックなどの乱立により容易に想像できます。また、コンドロイチン・グルコサミン・ヒアルロン酸などの製品も巷に溢れています。

まず、『痛み』は炎症性の痛みと神経性の痛みに大きく分けられます。炎症生の痛みに対して鎮痛薬は効果的です。一方、神経性の痛みには特殊な痛み止めが用いられますが、効果は限られているようです。一般的に慢性期の痛みになると炎症性の割合は減少し神経性の関与度が大きくなってきます。そして、痛みを治り難くしている原因として心因の関与があります。恐らくこれが痛みを長引かせることの主原因でしょう。事実、慢性腰痛の方を対象に認知行動療法によるメンタルケアを実施したところ大きな改善が得られたとの報告が多数あります。

また、痛み恐怖による「過度の安静」も回復を遅らせる原因です。使い過ぎの時は安静も大切ですが、安静のし過ぎは筋の委縮や柔軟性の低下につながり関節部分の回復を遅らせるのです。運動とストレッチの重要性は、今後ますます高まってゆくと思います。痛みがあるので、無理はいけないのですが無理しない程度に関節を動かすことが早期の回復には必要ですし、再発予防にもなるのです。薬剤師は、解剖学の知識が少ないために、薬やサプリメントの効果を過大視する傾向があるように思います。私自身も反省しなくてはなりませんが、皆さんも楽して治そうと思うのなら、慢性化の道に入ると思ってください。

ここで、漢方的な観方も加えてみましょう。痛みの原因は不通と不養。現代風に言えば、身体の循環不全と機能低下です。その原因として、寒邪・風邪・湿邪などがあります。冷えが原因で悪化すれば寒邪が考えられますし、腫れがあったり低気圧により悪化すれば湿邪が考えられるでしょう。それらを解消する漢方薬を使用することで改善に向かうのです。

薬局やドラッグストアだけでなく通信販売などでも入手できる、コンドロイチンやヒアルロン酸やグルコサミンはどうでしょうか?残念ながら現時点での評価は一定しません。効いたという報告も効かないという報告も両方あり、効くにしても条件が揃う必要があるのでしょうね。ですから私のスタンスは、やってもいいが3〜6か月使用した時点で効果を評価してみることです。予防になるかと言えば、???どうでしょうか?
運動とストレッチで関節周りの環境改善に努める方が効果的なように感じています。

身体の生理機能や構造を理解して痛みの性質を把握すれば、痛みの改善に向かうことでしょう。今までの生活の中に痛みを作る原因があるかもしれません。それに気づけば、予防や再発防止に役立つことでしょう。
鎮痛剤だけの対症療法から脱却するために、一緒に考えましょう。


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