インフルエンザ脳症を防ぐには・・・

タイトルとは全く関係ありませんが、明日は私の誕生日です。誕生日を祝う年ではありませんが、このような言葉があります。「誕生日とは、自分を命がけで生んでくれた母親に感謝する日」。私は両親とも他界していますが、明日は亡き母に思いを馳せることにしようと思います。

さて、長野県の病院でインフルエンザによる死亡例が出ました。詳しい状況は把握していませんが、亡くなったのは別の病気で入院していた高齢者と女性の病院看護師(40代)の2名だとのことです。持病がある高齢者はハイリスクなので治療効果にも限界があることでしょう。しかし、40代の健常人での死亡は残念でなりません(けっして高齢者だから亡くなっても仕方ないとの意味ではありません)。この女性看護師にも家庭があり、育ち盛りの子供がいたことでしょう。正月や誕生日などで子供の成長を楽しみにしていたはずですよね。

重症化を防ぐにはワクチンが有効と言われています。医療従事者ですから、恐らくワクチンは打っていたはずです。サイトカインストームと言われる免疫系の暴走が関与していたと考えられます。詳しい機序を把握しているわけではありませんが、簡単に言えば、”過度の高熱”が大きく関係しているようです。”過度の高熱”により障害されやすい細胞があり、その結果として、脳が破壊されるようです。細胞のエネルギー代謝が関係するらしいのですが、ちょっと難しい内容でして・・・。

一方で発熱は、身体の免疫系を活発にする大切な反応ですから、問題とすべきは”過度の高熱”です。何度以上か?キッチリ線を引けるわけではありませんが、一般に若い成人ほど免疫反応は活発ですから、40代の女性看護師に起こったことは、この”過度の高熱”によるサイトカインストームだったのでしょう。「通常の発熱なら歓迎するけど、過度の高熱はダメ」なので、どうしたらいいかわかりませんね。

では、現時点で私がお勧めする方法。発熱は基本的に促します。漢方薬にこの効果が認められており、安全装置として発汗機構も働かせるように組み合わせができています。安全装置が上手く機能するかは、漢方的な体質を見極めることが重要で、何でもかんでも葛根湯ではありません。そして、経過日数により使用する漢方薬を変えるのが基本です。変化する体の反応(症状)に合った漢方薬を対応させなくては、病気との闘いはできません。
そして、過度の高熱を防ぐ意味で「ゴ○ウ」を使いたいと考えます。古くからの文献を読むと、脳保護作用も期待できますからインフルエンザ脳症を予防出来るのではないかと考えています。安全弁をきちんと機能させる働きもあるし、身近に置いておきたいものの一つでしょう。

また、インフルエンザの予防は最も重要です。現在のワクチンは、体内の抗体(IgG)を増やすのですが、肝心なウィルスの侵入経路である粘膜表面の抗体(IgA)には無効です。ですから重症化は防げても感染予防にはならないわけです。最近、こんな発表がありました。「粘膜が冷えると感染しやすい。」インフルエンザの主な侵入経路は、鼻とのどの粘膜です。粘膜は湿った環境で機能しますから、乾燥は大敵です。口呼吸は危険なわけです。そして、この寒い時期に鼻が無防備だと、鼻の粘膜は冷えます。マスクの効果は、単に湿った環境を作るだけでなく、保温もあります。2つの意味でマスクはインフルエンザ・かぜ症候群を予防していると言えます。

手洗いとうがいが強調されますが、マスクも有効な予防ツールということを覚えておいてください。そして、身体の治る反応を助けるような薬と養生を心がけましょう。


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