顎の痛み?歯の痛み?顎関節症

早いもので3月に入ってます。やはり、年々時間の経過を早く感じるようになっていて、寄る年波を感じないわけにはいきません。まだ時折冬に戻るような天候になるものの確実に春らしくなってきました。近くでも卒業式が行われ新しい未来に向けてスタートを切る姿に元気をもらっています。その一方、今年は10代の青年による事件が目立ちます。浅はかな詮索はできませんが、彼らにもある筈の明るい未来を伝えてあげる方法がないものでしょうか?

今、今週7日にある東洋心身医学研究会の発表資料をまとめています。7〜8割は出来上がっているのですが、最後の仕上げの部分で足踏みしている状況です。テーマは『顎関節症』、口腔外科・歯科領域の代表的な心身症の一つです。まとめている症例を通して、いくつかの新たな気づきを得ることができました。今までは数種の漢方薬だけで対応することが多かったのですが、いろいろ資料を当たっている内に、今までは対応することがなかった新たなタイプの存在を知ることができました。

もちろん、画期的な発見ではありません。漢方的な捉え方に新たな角度が増えたということです。少し詳しく説明します。私たちの身体にはツボが存在しており、関係性の深いツボを結んでゆくと12本の線になります(これを経絡といいます)。今までは、この経絡のうち、決まった経絡しか考えていなかったのですが、顔面の解剖との関連を重ねると、他の経絡も関係することが分かったわけです。今までの勉強不足が露呈した瞬間ですね。幸運にも、新たに分かった経絡を使用することは今までなかったので、比較的うまく対応できていたのでしょうね。ラッキーだったといえます。

今後は、この新しく気づいた経絡を視野に入れての相談や対応と言う形になります。今回、新たに経絡との可能性を探り出したのは、皮膚科領域での漢方薬使用に、経絡の考え方を取り入れている皮膚科医の論文や発表との出会いにあります。その視点を取り入れて、他の病気にも応用してみると、今までとは違ったものが見えてくるように感じています。といっても、鍼灸師ではありませんから、浅い知識でしかありませんが、確実に見方が広がっていることを感じています。

更に、この発表資料作りで、アレキシサイミア(失感情症と訳されていますが、感情がないわけではなく感情に鈍感になっている状態です)との関連です。多くの心身症では程度の差はあれ、このアレキシサイミアが存在しています。身体に現れた心の悲鳴といえばイメージしやすいでしょうか。新潟県人の県民性として、アレキシサイミアに近いものを持っているように思いました。とすれば、今までとは違った対応ができるようになるのです。

でも、おおざっぱに県民性と言い切ることはできません。交通・情報の交流が日常茶飯事な現在(ちょっと変な表現ですか?)、多くの個性がありますから、あくまでも参考程度に利用することしかできないでしょう。ただ、県民性は、文化や自然環境などとも深くつながって形成されますから、全く無視することもできないと思っています。かと言って、地方都市・長岡の一薬局にいろんな都市から相談者が訪れることなんてないでしょうから、私がこの考え方を応用する場面は少ないでしょうね。いろんな地方から人が集まってくる大都市では役立つケースも少なくないのではと考えています。


さて、顎関節症のまとめです。マウスピースなどでの対応が一般的です。その上で、痛みに対し鎮痛剤、心理的因子に対しては安定剤(抗不安薬)が中心ですが、これで満足できないケースには、漢方薬と言う手段があります。筋肉の異常緊張を和らげる漢方薬、ストレス反応を軽くする漢方薬、痛みを去る漢方薬、など基本的には1種類で対応できるはずですから、諦めずに近くの専門家に相談ください。そのうえで、リラクゼーションとしての、自律訓練法やヨーガなどを取り入れると更なる効果アップが期待できると思います。場合によっては、認知行動療法対人関係療法などの心理療法も取り入れながら、根本的な解決に向かうこともあるでしょう。

痛みをゼロにできなくても、今の状態より軽くすることは可能だと信じています。そして、最終的には漢方薬も使用しない日が訪れることを目標にしましょう。


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