おできの対応

日本列島は急に暑くなり”熱中症”への対策が必要ですね。まだ地温が上がらない分、気温の割には過ごしやすく感じますが油断禁物、くれぐれも用心しましょう。
今日相談した不潔恐怖を主とする強迫神経症の方、なかなか変化が起こらなかったので、奇策とも思える常識壊しを試みました。家族療法家の本の中からヒントを得たのですが、著名な治療家の本には似たような表現が登場してきます。今日の反応を見ると「なるほど!」と納得できました。毎日が試行錯誤の連続で、まだまだ勉強不足ですが、頼って来る方には精一杯の努力と工夫をしなくてはなぁと思ています。これから相談に行く統合失調症の方にはユマニチュードでコミュニケーションを図ってみようと思っています。

さて、皮膚のトラブルは夏に増加する印象があります。肌の露出が増えるからでしょうか?ブドウ球菌などの細菌が原因の皮膚病に、とびひ・傷の化膿・おでき・・・、などがあります。皮膚は一見すると平らな膜(平面)に見えますが、当たり前ですけど奥行(深さ)があり、三次元の構造をしています。意外とこのことは重要で、平面なら塗り薬(外用薬)だけで充分効果があるはずですね。しかし残念ながら、外用薬だけで上手くいくことは多くはありません。つまり、飲み薬(内服薬)の出番があるのです。

覚えておいてほしいのは、セルフメディケーションの流れの中で、自己判断で外用薬だけを使用して逆に病状を進行させてしまうケースが珍しくないことです。自己治療で、効く・効かないの判断をする期間の目安は、細菌性疾患(キズの化膿・おでき・など)では3日程度と考えます。とびひは、もともと広範囲に拡がった状態ですから極初期なら3日くらいの猶予はあるかもしれませんが、通常なら外用薬のみでの対応は難しいと思います。

細菌性の皮膚病に対して使う薬は、塗るにしても飲むにしても抗生物質を使用します。いろいろな種類の抗生物質がある中で、薬局ではゲンタマイシンを中心として数種類しかありません。その結果、近年はゲンタマイシンに耐性を持つ(つまり効かない)細菌が増えてきているとの報告があります。このことを考えても、また細菌の増殖スピードを考えても、自己対応の場合は3日程度の期間が限度だと考えます。3日使って回復の見込みがなければ、通常であれば薬局での対応はほとんどありませんから、医師の診察を受けることになります。

ただ、漢方薬局はちょっと違います。漢方薬を飲むことで抗生物質に劣らない効果も出ることを頻繁に経験します。また、おできを繰り返すようなケースには、抗生物質を連用すると副作用や耐性菌の問題がありますが、漢方では感染しにくい身体作りをすることで再発しにくくなるのです。

男性ではお尻におできを繰り返す方も多いようですし、眼科疾患でもものもらいを繰り返す方も少なくありません。このようなケースでも対応できる漢方薬があるのですね。私の印象では、抗生物質の効き目に劣らない効果を感じていますが、でも重要なのはタイミングを遅らせないこと。細菌感染では、3日間が一つの節目とお考えください。(3日で快方に向かうかどうかで、完治には更に時間がかかります)

また、抗生物質軟膏には、ステロイド入りのものもあります。ステロイドが入ると抗生物質が効かなくても一時的に効いた感触を得られるのが魅力ですが、短期間に安く回復させることを考えるならばステロイドの入らない抗生物質だけの塗り薬を使用することをお勧めします。私が師と仰ぐ皮膚科医は、「ステロイド入り抗生物質は、自信のない素人が使う薬だ」と言っています。ですから私はステロイドの入らない抗生物質軟膏を使用しているのです。


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