お隣の韓国でMERS(中東呼吸器症候群)の拡大が止まりませんね。この「感染し易さ」を特徴とすれば、日本で感染者が確認された場合は、二次感染、三次感染の可能性も考える必要があるように感じます。私の単なる不安で終わればいいのですが・・・。以前、感染列島なる映画がありました(私はTVで見ただけですけど)。大切なことは、パニックにならず正しい最新の情報を確かなところから入手し、冷静に(過剰に悲観的にも楽観的にもならずに)判断し、その時の最善策を講じることです。どうしても噂やデマが流れますので、そのような情報に踊らされないよう気をつけましょう。
さて、本格的な夏を控え、ダイエットシーズン(健康よりも見た目を意識してのダイエットですよね)に突入しました。痩せることを過度に称賛する風潮は、危険なものを感じます。特に日本人は、団体行動が好きなのでブームがエスカレートする傾向が強いですよね。痩せる必要のない人までダイエットに関心を示し、体調を壊すような減量に励むことになります。
以前から指摘していることですが、「このブームに便乗し薬局・ドラッグストア業界も安易なダイエット商戦を展開した結果、いろいろな障害や問題を作ることに加担しているのではないか?」と思うのです。ですから、当薬局ではダイエット商材の扱いは現在ありません。もちろん「漢方薬で痩せたい」と言われる方は時々来局されますが、「食事と運動のプログラムに参加できますか?」と言うと必ずと言っていいほど参加されません。我ながら、認知行動療法を組み入れた当薬局の『脱・脂肪ダイエットプログラム』には自信を持っているのですが・・・。
当薬局の『脱・脂肪ダイエットプログラム』の概略は、大分大学の方式を取り入れてあり、体重の記録をベースに日常生活(睡眠・食事・間食・運動など)の記録も併せてできるように工夫してあります。この記録を基に食事への介入には認知療法を中心に対応し、運動はメッツやエクササイズ(運動量の指標)を一覧表にして10分単位での活動の組み合わせで計算できるように、且つ無理なく取り入れやすいように配慮してあります。派手な減量には向かないものの、確実な体脂肪減少(筋肉量と骨量を減らさない)とリバウンドの防止につながると考えています。
現在の多くのダイエット商材が抱える問題として、リバウンドがあります。安易な減量(意外にも筋肉量と骨量が減ります)により簡単に体重は戻り(たいてい戻る時は脂肪が増えます)、その結果として体重は変わらないものの体脂肪率だけが増えてきます。筋肉が少ないので脂肪は重力に逆らえず「たるみ」として体型を変化させます。また筋肉というエネルギーの消費組織が減れば、益々痩せにくい体質になり逆に太ることもあるのです。骨量の減少は、特に女性の場合は将来の骨粗鬆症の危険性を高め、骨折→寝たきり→認知症のコースを辿ることにも成りかねません。
ダイエットの過熱は、標準体型であっても強迫的にダイエットを意識するようになり、その一部(自己肯定感の低い人を中心に)は「摂食障害」となっているのではないかと心配しています。もし、健康産業と言われる薬業界が摂食障害の増加に加担しているとしたら・・・・、恐ろしいことです。
摂食障害は意外にも死亡率の高い病気です。「単なる痩せ」ではないくらいに体重が落ち、生命維持がかろうじて保たれているケースも少なくないということを摂食障害の専門家から聞きました。ですからBMI(体格指数)で16を下回ったら医療機関に通って体調を管理する必要があります。その上でカウンセリングや心理療法で治療することが重要なのです。
摂食障害に効果的な治療法として、認知行動療法のほか、対人関係療法・家族療法・再養育療法などがあります。私の今現在の感触としては、対人関係療法や家族療法や再養育療法などのコミュニケーションに介入するタイプの治療法が優れているように思えます。認知の修正も大切とは思うものの、相当な根気を必要とするような感じです。コミュニケーションの変化に伴い自然と認知が修正されるような感触を今は持っています。
現代人のストレスの大半が対人関係に関することだということから、対人関係を改善するコミュニケーションへの介入が効果的なのは不思議ではありません。
誤解があるといけませんので簡単な補足をつけますね。対人関係療法は「対人関係」が問題だということではなく、円滑な対人関係の構築を促す(以前あったなら取戻し、足りないところは補う)ものです。家族療法も家族を含めたコミュニケーションを変化させるだけで「家族関係」や「当人」や「親」に問題があるとは考えません。再養育療法にしても「養育方法」を原因にせず新たな親子関係を作るだけです。
どの方法が一番優れているかはケースバイケースでしょう。本格的な夏を迎えるに当たり、ダイエットの話題も目立つ昨日今日ですから、身体を壊すようなダイエットに安易に飛びつかず、更には摂食障害にまでならないよう気を付けていただきたいと考えています。
当薬局では、『脱・脂肪ダイエットプログラム』も『摂食障害の心理療法』も行っています。いつでも相談ください。
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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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