乳がん・乳腺症・ピンクリボン

今年の秋雨前線は台風の影響も重なり、北関東地方から南東北地方にかけて甚大な被害をもたらしました。不幸にして亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに未だ消息不明となっている方の1日も早い発見と無事を、さらにボランティアを含めた多くの関係者に普通の日常生活が早く戻ることを願っております。私はと言えば、この不順な天候で稲刈り作業が予定通り進まず、あたふたしています。

気がつけば9月も半ばで、あと半月もすれば10月です。10月は乳がん啓発月間でピンクリボン運動が各地で開催されます。当薬局に寄られた方はお気づきかもしれませんが、私のネームホルダーには年中ピンクリボンバッチがついています。新潟県のオリジナルですから朱鷺がデザインされておりピンクリボンとは一目でわからないかもしれませんけど・・・。今年は10月18日に新潟市新潟日報メディアシップにてピンクリボンホリデーが開催されます。時間のある方は参加してみてはいかがでしょうか。

で、乳がんと同様しこりが乳房に生じる病気に乳腺症があります。乳腺症とは「乳腺に起きる異常で乳がん以外のもの」ですから、乳がんと乳腺症は全く別の病気なのですが、頭では理解していても当薬局で乳腺症と診断されていた方が立て続けに乳がんとの診断を受けると、この2つの病気はどこかでつながっているような感覚になります。ですから「乳腺症の漢方薬ありますか?」と相談されてもセカンドオピニオンではないですが再度診察を促すことにしています。

そのうえで、乳腺症にしても乳がんであっても、しこりをやわらげる漢方薬があり継続することで徐々に小さくなってゆくようです。今まで、純粋な乳腺症のケースではそのような経過を辿っています。一方、乳がんであれば基本的な漢方薬は変わらないにしても、ガン自体が消耗性疾患としての側面を持つので、体力などを低下させないような工夫も併せて必要となります。さらに時期や体調を見ながら抗ガン生薬を使うこともありますが、初めからフルコースでは身体の受け入れ能力を超える場合もありタイミングは重要と考えます。

そんな中、先日魚油成分に乳がんの危険性を低下させる可能性が報告されました。
 国立がん研究センターの研究チームによる、不飽和脂肪酸の摂取量と乳がんとの関連についてです。それは、EPAやDHAといったn−3系不飽和脂肪酸の摂取量が多いと、ホルモン受容体陽性の乳がんに罹るリスクが低い傾向がみられたというもの。逆にn−6系不飽和脂肪酸の摂取量が多いと、乳がんのリスクが高まることも分かったと伝えています。
 研究チームは1990年から岩手、秋田、長野、沖縄など9つの保健所管内の45〜74歳の女性約3万8000人を対象に、2011年末まで調査を行い、不飽和脂肪酸摂取と乳がん患者との関連を分析しました。
 乳がんには、ホルモン依存性と非依存性があり、ホルモン受容体陽性タイプの乳がんにおいて、EPA、DHA、それぞれの摂取量が多いグループには、がんリスクが低くなる傾向が示されたそうです。
一方、n−6系不飽和脂肪酸の摂取量が多いグループは、最も少ないグループに比べ、2・94倍リスクが高まる傾向にあることが分かったとしています。

この結果を短絡的に捉えることは、何事も流行に敏感で極端なことを好む日本人にはよくないかもしれません。ただ、魚はこれから脂がのって美味しくなる時期だけにタイムリーな情報と言えます。ただカロリーの摂り過ぎは要注意であり肥満は乳がんのリスクの一つですから気をつけましょう。

乳がんだけでなくガン全般に言えますが、体調を整える意味での漢方薬が基本で、ガンを生じるに至った体内環境としての寒や瘀血の解消、さらには抗ガン生薬使用のタイミング、精神腫瘍免疫力を活かすようなカウンセリングや心理療法、食事法・・・など総合的に取り組むことが重要かと思っています。


漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
http://hirohashi-pharma.sakura.ne.jp/ (アドレスを変更しました)

過去のブログの主なものはホームページにリンクを貼ってありますから、見たい記事がありましたら《ひろはし薬局のホームページ→過去のブロ
グ》から探してみてください。(現在の更新はしてませんが・・・)
  あるいは⇒http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/sub6.htm

メールは《Re:タイトル》でお願いします。メールマガジンの申込も随時受付中
     ⇒8hirohashi@gmail.com

薬事法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。お知りになりたい場合は、直接ご連絡ください。

講演の依頼に関しては、ホームページに掲載してある講演内容を参考にして、お申込下さい