心身の健康づくりに自律訓練法と交流分析

今年は残暑らしい日を経験することなく秋に突入したからか、なんとなく冬の訪れが早いような感じがします。いつもより寒くなるのが早いような気がして、来月には雪が降るのではないかと思うような朝晩の冷え込みですね。そうそう、北海道では雪の便りも聞かれましたし、冬に向けての対策を早めに始めましょう。

この連休に開催された自律訓練学会と交流分析学会の合同大会に参加してきました。自律訓練学会は2年ぶり、交流分析学会は会員ではないので初めての参加でした。どちらの学会も日本に心療内科を根付かせた九州大学にルーツがあります。私が日々の心身医療相談を行なえるのも自律訓練法交流分析の知識があるおかげです。それくらい自律訓練法交流分析は重要なテクニックだと言えます(これに認知行動療法を加えて心療内科の基本3本柱といいます)。

自律訓練法という言葉を知らなくても「手が重〜い、手が温か〜い、・・・」などのセリフを聞いたことがある人は結構いるのではないでしょうか。そうです、とても短いセリフを繰り返し唱えるだけの単純明快な方法が自律訓練法です。でも、単純なだけではなく奥深い魅力があるのも事実で、何故あれだけの短い文章で多くの効果が得られるのか、不思議と言えば不思議です。でも単純だからこそ専門家だけが使用する技法ではなく、一般の方が利用することができるのです。私ら専門家は、不思議な魅力を科学の目で明らかにし、普段の生活に応用できるような活用法を紹介し普及することが役目になります。

当薬局でも、徐々にではありますが、資料をまとめ、トレーニングのためのプログラムを作り、確実に身に付けてもらえるよう準備を進めています。今までも時々紹介してきたのですが、資料も不備でしたから満足できる指導ではなかったと思います。それでも辛い症状を改善するためとは言え、頑張って実行されている方には頭が下がりますね。資料の完成には今しばらく時間が必要ですが、いろいろな方に活用いただければと考えています。

当薬局では漢方相談を行うこともあって、心療内科系の相談が多くあります。心と身体のバランスが崩れてしまったことによる体調不良ですよね。ストレスの多い現代社会では、ストレスを減らすことは無理と考えますが、ストレスの影響を減らすことは可能だと思っています。そのためのアプローチの一つが自律訓練法であり、自律神経のバランス調整力を高めることでホルモンバランスの乱れや複雑な免疫機構を上手にコントロールできるように感じています。ホメオスターシスの範囲を拡げることで、関単には病気にならないしなやかな抵抗力が身に付くのではにでしょうか。自律訓練法=健康法とされるのは、このような理由だと思います。

それにしても、「手が重〜い、手が温か〜い、・・・」という簡単な言葉のどこにそんなパワーがあるのでしょうね?高価な薬・医師の管理下でなければ使用できない薬、そんな薬にも劣らない効果を得られる自律訓練法、健康法として是非身につけて頂きたいと思っています。
ただ、単純な言葉ですが、いくつかのポイントがあり特に《受動的注意集中》ができるかどうかで効果に差が現れるようです。文章で説明するのは難しいので、専門家のアドバイスを受けながら練習するのが一番でしょう。効果を実感できず、中途でやめてしまう方の多くは《受動的注意集中》ができていませんから。
また、病気によっては不向きな方もいます。治療薬の効果が強く出過ぎたり、逆に病状が悪化したりとの報告もあり、この点を考えても専門家のアドバイスを受けてから取り組むことが重要ですね。

もう一つの交流分析は、いろんな利用法があるのですが、有名なのは性格傾向を表すエゴグラムでしょう。事実、エゴグラムに関する発表が一番多かったと思いますが、時間の構造化・ゲーム分析・脚本分析などなど日常生活に活用できる内容はたくさんあります。先ほどの自律訓練法が身体を楽にする健康法だとすれば、交流分析は心を楽にする健康法だと言えます。

日々の生活の中で生まれるストレスの大部分は対人関係に根付くものですから、交流分析の知識は大いに役立つものです。交流分析を創始したエリック・バーンは小学生にも理解できる言葉を用いて、一般の方を対象にしたとも考えられます。だから理解しやすい心理療法なのです。
専門家のものではなく、一般の方が日ごろ使えてこそ、価値があるのではないでしょうか。私も頑張って啓蒙・普及してゆきたいと思います。
ただ、今まで作成した資料を少々手直しする必要を感じています。順次、改正してゆくつもりです。

私のところは薬局ですから、何らかの悩みを抱えて相談に来られるわけですが、最近は困った症状を二度と起こさないような健康づくりの重要性に目が向いています。予防医療と言えるのかもしれませんし、先制医療と呼んでもいいのかもしれません。心身のホメオスターシスを大きくして不調を起こしにくくすれば、健康寿命だけでなく快適寿命や人格寿命(どちらも私の造語です)を延ばすことが出来るのでしょう。

心身医療の基本となる自律訓練法交流分析の合同大会に参加しての感想でした。ストレスで調子を崩している方のお役にたてれば幸いです。



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