毛染め剤による皮膚炎(かぶれ)について

今週は、高校生への薬物乱用防止講座を控えています。昨日、検査に行った高校では早退者が急増したそうで、インフルエンザではないものの本格的風邪シーズンの到来を感じさせます。気温の低下スピードに身体がついてゆかないのでしょうね。体調管理に気をつけて予防につなげましょう。
そして残念ながら罹ってしまったら早めの対策で早期回復を図りましょう。

さて、先週末からマスコミでヘアカラーなどの毛染剤によるアレルギー性皮膚炎への注意喚起が再三報じられています。特別新しい情報ではないものの、誤解や勘違い・記憶違いなどがありそうなことを書いてみようと思います。
その前に、毛染剤による皮膚炎は重症なケースが多いことをお伝えします。皮膚炎の程度を軽度・中等度・重度に分類するなら、私の認識によれば、毛染剤皮膚炎は”うるしかぶれ”に匹敵する重症の皮膚炎なります。治療はステロイド外用剤が中心になりますが、最強のステロイド軟膏を用いてもなかなか改善しないので、内服のステロイドを使用することもあります。それでも2週間程度は顔面を中心に炎症は残りますから、女性にとっては死活問題とも為り得る皮膚炎です。(私が皮膚科医なら化粧は基本禁止です)

ですから毛染剤皮膚炎を発症する可能性の有無をパッチテストで確認して使用するわけですね。使用の24〜48時間前にテストをして結果を確認してから毛染めに入るのは、早いアレルギー反応と遅いアレルギー反応があるからです。しかし厄介なことに、このテストで問題が無くてもアレルギー反応が起こり得ることを知っておいて欲しいと思います。どんな検査もそうですが、100%を保証するものではありません。そのことを念頭に使用して、万が一使用中に違和感を感じたなら、ただちに使用を中止して洗い流すことが被害を防ぐことにつながります。

「パッチテストをしなくても今まで何回も使用したものだから大丈夫」との発言を耳にすることもあります。アレルギー反応には残念ながら、この考え方は当てはまりません。使用を繰り返すたびに私たちは確実にアレルギー反応発症に向かって近づいています。早い遅いの違いがあるだけで、大丈夫ではないのです。運が良ければ、寿命が来る前に発症を起こさずに済んだということですね。

「以前、アレルギーを起こした銘柄とは違うから心配ない」これも、間違っています。アレルギー反応は銘柄で起きるのではなく、毛染剤に配合されている成分に対して起こります。ですから、銘柄が違っても同じ成分であれば、かぶれを起こすのです。過去にかぶれを起こしたことのある方は、購入時には専門家(できれば薬剤師が望ましいでしょう)に確認して、成分が異なる銘柄を選択するようにしましょう。美容院などプロに依頼する場合も同様ですね。

「痒みがあるけど我慢できるから使用する」このような方がいるかわかりませんが、発赤や腫脹などの外見上の変化がなくても、痒みがあればアレルギー反応は起きていますから、このまま使用していれば重症化することは間違いありません。症状が軽いうちにその製品の使用をやめないと大変なことになりますね。

以前、毛染剤による皮膚炎の相談を受けた時、皮膚科医の治療でもなかなか改善が進まず漢方薬を併用したケースがあります。強い炎症状態を《熱》ととらえ、清熱作用のある漢方薬を用いたものの《熱》症状である発赤や腫脹や痒みなどは改善が進んだものの予想以上に回復が悪かった記憶があります。個人的には、かなり頑固な皮膚炎になるのが毛染剤なのです。(この他、ウルシや銀杏によるかぶれも重症ですね)。
ですから、パッチテストは必ず毎回実施すること(それでも100%ではないこと)
異変を感じたら、すぐ使用を中止しよく洗い流すこと

既に何度も報道されていることですが、再度確認ください。


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