痙性斜頸と漢方薬

師走の新潟県としては穏やかな日が続いています。嵐の前の静けさなのか、温暖化の影響なのか、たまたま気候のサイクルがいいだけなのか、サッパリわかりませんが雪が降る前の屋外作業を一生懸命しています。脚立の上り下りだけでもいい運動になっていることに違いはありませんが、普段使わない筋肉を使うだけに、しばらくすると筋肉痛が・・・。日頃の運動不足を反省しつつ、人にアドバイスするからには自分が実行できなければ説得力がありません。ということで頑張っています。

さて、知人から痙性斜頸の相談を受けました。彼は以前吃音があり吃音が解消してから斜頸になったのだと言っています。現在は某大病院で磁気治療の臨床試験を受けているものの大した効果を実感できないとのことで、自分なりに調べたら漢方薬が効くかもしれないと私のところに来たわけです。痙性斜頸とは、首周りの筋肉のいくつかが引きつった状態で自然と頭が傾いてきたりする病気です。経頭蓋磁気治療をしてますから、脳の神経伝達に問題があると考えられているのでしょうか。以前はボツリヌス菌毒素による治療を受けており一定の効果を実感していたとのことですが、ちょっとしたトラブルがあったことから中止しています。

そのような経過での相談でした。対症療法的なボツリヌス毒素治療に一定の効果があったことから、彼の場合は筋収縮に直接働きかける漢方薬を選択しました。というのも彼がネットで調べた漢方薬を飲んだらどうかと相談に来てますから、全く違う提案をするわけにはいかないとの事情もあります。今までの経過から考えても、一番妥当な方法かと思います。今回彼に選択したのは、過去に合った吃音が治ってから痙性斜頸になったということから心因性の要素に働きかけることもできる「○逆○」という漢方薬でした。

飲み出してからの経過は順調に来ていますが、なにしろ何年も抱えてきた病気ですから完治するには年単位の日数が必要かと思います。ただ、この経過を機会に、彼の心身にどんなことが起きているのか説明してあげることができます。そのことから何か気づきが得られれば、漢方薬を中止したとしてもある程度の効果は持続するのではないでしょうか。

最近の私は、漢方薬でさえも長く飲むものではなく、必要な期間飲んだら中止にしたいと考えています。そのためには、どんなことがその病気を作ってきたのか、どんな体内の変化がその病気を持続させているのか、を漢方的に説明し理解してもらうように心がけています。そのことが理解できれば、漢方薬を中止しても再発しにくい身体ができると考えているのです。全てのケースには当てはまらないかもしれませんが、実際に試してみても悪い感触はありませんし、今のところ中止はほとんどのケースで成功していると感じています。
課題は、中止への流れをもう少しスムーズにできるような工夫が必要なことです。ここがスムーズに移行できれば、より満足度の高い相談が提供できることでしょう。

今回の経験は、脳卒中後の拘縮などのリハビリ医療にも応用できるのではないかと思っています。痙性斜頸にしても拘縮にしても、漢方的な見立てに大きな違いはありません。もちろんベースには血虚などがあったりしますから病名漢方的な使い方では効果に限度があるでしょう。しっかりと漢方の知識を身に付けておく必要があります。痙性斜頸では、今回のように”筋”に問題があるケース、”血”に問題があるケース、”風”などが原因のケース、・・・などが考えられます。それぞれ使用する漢方薬が異なりますから専門の漢方家に相談されることをお勧めします。



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