声とのどの健康を守る

とうとう越後平野に雪が降りました。カレンダーを見れば、当たり前すぎる日付ですから、今まで降らなかったことを喜んだ方がいいのでしょう。けれど、大人になるとレジャー以外では、邪魔な存在だけでなく時には危険な命を脅かす存在ですから、極力少ないことを願うのです。今日までの天候が良すぎたため、タイヤ交換の済んでない車も走っています。道路からはみ出して脱輪している車があったとお客さんが話していました。自損事故なら自業自得ですけれど、運悪くタイヤ交換の済んでない車が対向車線から向かってきたら・・・・怖いですね。あと2週間で新年ですから、無事に迎えたいものです。

さて、穏やかな師走であるものの、やはり季節性の病気には注意が必要です。かぜ症候群やインフルエンザなどの呼吸器の感染症ノロウィルスに代表される消化器系の感染症が、寒い時期に流行します。感染症予防の基本は、手洗いです。加えてマスクでしょうか。呼吸器系のウィルスは基本的に鼻やのどの粘膜から体内に侵入し感染します。空気が乾燥していると粘膜の機能が衰えウィルスを排除する働きが低下し感染し易くなります。マスクの使用により鼻やのどの粘膜を乾燥から守り、ウィルスが侵入しにくくなるため、実際にインフルエンザの感染者が減少することが実験により確認されています。

うがいに関しては私は懐疑的な意見を持っています。例えマスク(どんな高性能でも)を着用していても、一般の方がウィルスの侵入を完全にゼロにすることはできません。ましてやマスクをしていなければ尚更多量のウィルスが付着する可能性が高まります。空気の乾燥などで粘膜の健康度が低ければ、粘膜に付着したウィルスは数十分で体内に侵入すると言われていますから、理論上は1時間に数回以上うがいをしなくてはなりません。現実問題として不可能に近い対処法と考えます。そしてイ○ジ○などの細胞障害性のうがい薬を使用すれば、ウィルスに効果があっても同時にのどの粘膜も傷つけますから、次に粘膜の傷ついた部分からウィルスが容易に侵入することになるので逆効果となります。事実、うがい薬を使用しない通常のうがいの方が防御効果が高いとのデータが存在します。

したがって、のどの健康を守るためには、喉の粘膜を守ることが重要です。粘膜の健康には潤いが必要で、空気の乾燥は大敵です。しかし暖房を使用すれば湿度は下がるし、加湿器などで加湿しても限界がありますからマスクで防御することになります。マスクの目的はウィルスの侵入防止ではなく、鼻や喉の湿度を保って粘膜を保護することにありますから、特別高性能のマスクにする必要はありません。

湿度以外で粘膜の健康を守るには、ビタミンなどの栄養と栄養を運ぶ血流が重要です。よく喉の風邪と言われますが、咽頭炎喉頭炎症状で相談を受けると大抵の方は身体の冷えを自覚しています。漢方の立場では肺の冷えと腎の冷えがほとんど原因になっています。溶連菌感染症をこじらすと腎炎になりやすいように、喉と腎臓には特別の関係があるようです。風邪がのどから始まる方は、自身の冷えを改善することを心がけられると良いでしょう。冷えを改善すると、のどの血流も改善し、のどの痛みやガラガラ声に悩まされることが少なくなります。冷えの部分により使用する薬なども使い分けると更に効果的ですから専門家に相談ください。

粘膜の健康によいビタミンにはビタミンB群が有名ですが、ビタミンAやビタミンDも忘れてはなりません。粘膜ビタミンと言われるビタミンAは粘膜の乾燥を防止し、万能ビタミンともいえるビタミンDは感染症の予防や免疫系にも働きかけることが知られています。B群だけでなくAやDもきちんと取り入れましょう。そして、大事なことは食事から摂ることが基本と云うことです。サプリメントは不足を補う程度にしないと、逆効果になることもあります。同じビタミンでも食事とサプリメントでは違う働きがあるのかもしれません(私の推測ですが)。この点からも、自己判断でサプリメントを選択することはお勧めできません。

また、粘膜を潤す働きの漢方薬もあります。乾燥により声やのどの調子が悪い時は○○湯などを飲むと早い回復が期待できます。乾燥対策の予防にも使えますが、合成医薬品にはない特徴を持っています。
粘膜の乾燥が進むと炎症が起こりますから、漢方薬では冷やす働きのあるものを使用します。痰が絡んで調子が悪い場合には痰を排出しやすくなるような漢方薬を使用します。

私も含めて、朝目覚めたら声が変!喉が痛い、などと異常に気づくように、どうやら病気は夜に出来るようです。身体の異変を修復するべき睡眠が充分に機能しないと、朝ガラガラ声にビックリするわけですから、睡眠の質と量をしっかり確保するようにしましょう。



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