膝の関節痛

穏やかな天候が続いていますが、来週は再び寒気が襲ってくるので寒い週になるようです。春先の気温の乱高下は毎年のことと言いながらも、体調管理に気をつけましょう。この時期を上手く過ごす一番のポイントは、規則正しい生活リズムだと思います。3月に入れば歓送迎会のスケジュールが入り忙しい日々と思いますが、出来るだけ日々のパターンを崩さぬよう心がけましょう。

整形外科を始めとして、整骨院鍼灸・あんま・マッサージ治療院、整体、カイロプラクティック、ツボ押し、・・・など、世の中には痛みを改善する施設がたくさんあり、それだけ痛みに悩む人が大勢ることを意味します。でも完全に改善することは不可能なのでしょう、あれだけ存在する多数の施設が廃業することなく存続してますから。特に高齢になればなるほど身体の痛む部位は増え治りにくくなるので、今後は予防に焦点を当てた方が効果的なのかもしれないと最近は考えています。

老化現象としての関節の変形は避けられるものではありません。私も50代に入り膝に痛みを覚えるようになってきましたので、大腿四頭筋など膝周りの筋肉を鍛えるトレーニングを意識的に行うようにしてみました。体力は衰えたと自覚しているものの、まだまだ大丈夫と安心している年齢でしたが、学生時代は楽に100回行えたスクワットも50回でキツク感じる現状でした。これはやってみなければ自覚しないことです。ただ、スクワットや膝周りの筋肉を鍛えるトレーニングを始めてから2週間くらいで膝の痛みが和らいできたことを実感できました。今現在では膝の痛みはほとんど感じていません。膝のリハビリ、恐るべし、です。

変形による膝の関節痛は女性に多くみられます。男性に比べ筋肉量がもともと少ない女性は膝関節を支える脚の筋肉群も少なく、これが変形を進め痛みを悪化させるという悪循環に陥ります。痛み⇒運動・活動量の低下⇒筋肉量の減少⇒痛み⇒・・・・のスパイラルが永遠に続くのです。薬剤師の立場からは、この悪循環を『鎮痛薬(痛み止め)』を中心とした『薬』で改善しようと考えます。『薬』が主で『運動療法・リハビリ』は従です。ですが、自身で経験してみると逆にする方が効果的だと考えます。

痛みを先に軽くしてリハビリや運動療法に取り組みやすくする、との考え方もありますが、経験上では薬で痛みを取り去るとその後の運動療法・リハビリにはつながりにくい印象があります。私の説明不足もあるものの、人生半ばを過ぎたら意識的に筋肉を動かすようにしないと肉体の衰えるスピードが益すばかりです。もちろん、動かせないほどの強い痛みであれば鎮痛薬の使用は必要ですし、痛みを軽くして運動しやすくすることもあります。

でも、痛みが軽いうちにトレーニングで痛みが改善した経験を多くの方が持っていたら、薬を使いながら(と言うより、薬を使うことで)トレーニングに積極的に取り組むようになるのではないかと思うのです。過去に積み重ねてきた日常の生活の延長上に、今現在の問題が現れていると考えるなら、過去の生活を見直し新たな生活スタイルを少しでも取り入れる必要があるのではないでしょうか。今までと同じ生活スタイルなら、今現在の問題は大きくなることはあっても小さくなることは無いでしょう。何が病気・症状などの問題を維持する原因になっているのでしょう?

そんなことを考えながら最近は相談に当たっています。ですから、膝の痛みに関して言えば(ほとんど全ての病気・症状に当てはまりますが)、早期に専門家に相談して『薬』以外のアドバイスを少しでも実行されると良いでしょう。そうすれば、必要にして最少の『薬』で済むことと思います。

膝の関節痛には、軽度であれば貼り薬や塗り薬などの局所外用薬を使用します。重症化するに従い内服薬を併用するようになりますし、副作用などを考慮して漢方薬を使うこともあります。また膝に水が溜まるようであったり、冷えで悪化するようなら、漢方薬がより効果的です。グルコサミンやコンドロイチンに関しては、有効・無効どちらの結果もあり正解はありませんから、3〜4か月継続して効果を確認できるようなら続けたらどうかと考えます。膝関節痛の予防のために使用するのなら、筋肉強化のトレーニングの方が確実だと言えます。フレイル・ロコモ対策としても運動は評価されますし、認知症対策・生活習慣病対策としても運動を勧めない理由はありません。

薬を効かせることが薬剤師の仕事だと考えています。4月からは調剤報酬の改訂により「かかりつけ薬剤師の指導料」が加算できるようになります。真の意味での「貴方のかかりつけ薬剤師」が見つかると良いですね。



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