頭痛相談で目指すところ

先週土日は、家族療法研究会(土曜午後・新潟市)、腰痛の講演会(土曜夕方・新潟市)、漢方勉強会の三考塾(日曜・東京)とまとまりのないハシゴ勉強会を経験しました。まとまりが無いと言っても、たまたま予定が重なっただけなのですが移動も含めて我ながらバタバタし過ぎた感があります。日頃から「過ぎたるは・・・」と言っているので反省せねばなりません(今週末もアトピー性皮膚炎治療研究会で大宮に行くのですけれど・・・)。でも参加したからこその知識も得てきたので、今後は日頃の相談に活用したいと思います。新しい治療法や違った角度からの視点に触れることで、直接的・間接的を問わず相談の満足度が高まることを実感します。最終的なゴール(苦痛を抑えることでなく、苦痛から解放すること)を目指して、更に相談のレベルを高めたいと考えています。

脳卒中髄膜炎などの疾患による頭痛を除いて、一般的に経験する頭痛の6〜7割は片頭痛だ言われます。片頭痛との混合タイプも含めて筋緊張型頭痛が約3割、残りが群発頭痛や薬剤性頭痛などです。1割強と意外に多いのが薬剤性頭痛で、頭痛を抑える目的で使用していた鎮痛薬の不適切な使用により発生した人工的な頭痛です。この原因は一般の方の不適切な使用に限らず、薬局やドラッグストアでの間違ったアドバイスや医師の知識不足などもあるとされますから、私ら医療人としてはこの現実を真摯に受け止める必要があるでしょう。

薬剤性頭痛は、鎮痛薬の使用が1ヶ月で15回以上になるとその可能性が高いと言われてます。私は10回以上の頻度の人には、薬剤性頭痛のことを説明し気を付けるようにアドバイスして、増えるようなら漢方薬による根本解決か、原因や誘因の発見につながる頭痛日記の記録などの手段を提案しています。当薬局ではほとんどの方が漢方薬を希望され鎮痛薬の使用量減少に成功されてます。しかし、これは私が目指す頭痛相談のゴールではありません。相談当初は頭痛のコントロールが目的であったとしても、本当のゴールは漢方薬の使用も必要がなくなった時でなければならないと考えています。

漢方では、気血水(津液)の3要素が質的・量的にバランスを崩して病気になるとの視方があります。毎月20回以上鎮痛薬を使用していたAさんは、水(津液)の代謝異常を改善する漢方薬を使用することで鎮痛薬の使用が数回/月に減ってきました。低体温だった体温も上がり体調は良くなってますが、水(津液)の代謝異常を生み出す日常生活を見直して改善することがゴールです。漢方薬でコントロールできているだけでは、鎮痛薬が漢方薬に変わっただけですから。ただ、この方のように、漢方薬の使用によって具体的でオーダーメイドの生活目標が立てやすくなるのです。

私が漢方を志した動機は、現代の医療があまり病気を治してないことを知ったからです。若かったこともあり偏見もあったかもしれませんが、近年は漢方薬で苦痛を抑えた後に、如何に漢方薬を早く減らせるかを考え実行しています。熟考しなくてもいわゆる回復力・治癒力により自然と漢方薬を中止できる方もいれば、できそうなことを提案し少しずつ行動変容して減らして行く方もいます。さらに最近は漢方薬さえも使用せずに自然な回復が得られないかと画策しています。その一つのツールが家族療法などの心理療法で、実際に効果も現れてますから、片頭痛などの相談にも応用してゆきたいと考えています。

片頭痛の原因としては、三叉神経・血管説が有力となっているようですが、アロディニアと言われる神経過敏状態なども複雑に関係すると近年注目されてきました。ただ、光や臭いなどの刺激、チーズなど特定の食品の摂取、女性では月経周期などの誘引がありますので、何が誘因なのか各人で頭痛日記などにより特定されることが重要でしょう。片頭痛の特効薬とされる超高価なトリプタン系薬でも薬剤性頭痛が発生していることから、薬剤に頼り過ぎるのは控えたいものです。



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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー)
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