私が注目する栄養素・食品成分

昨日、大阪にて残念な事故がありました。一報を聞いて私は、秋葉原の事件を思い起こしましたが、原因は全く異なるもののようです。今現在わかっている情報の範囲ですが、運転されていた方(亡くなりました)に弓部大動脈瘤破裂が起きたようです。持病の高血圧が強く関係しているものと考えられ、若いし重症ではなかったので治療を中断したことは、サイレントキラーと言われる多くの生活習慣病の恐い点です。高血圧=大動脈瘤ではありませんが、左肩に違和感を覚えていたとのことから、早めにチェックしていれば今回のような凄惨な事故にはならなかったのではないかとも考えられます。私も同世代の人間ですから、気をつけねばなりません。亡くなられた方のご冥福と、事故の当事者だけでなく関係される方々の1日も早い心身の回復を願っています。

昨日は、新潟に行ってCKD(慢性腎臓病)とリン(P:ミネラルの?種)の講演会に参加してきました。その中で繊維芽細胞増殖因子(FGF-23)やKlotho遺伝子(老化関連遺伝子として知られる)とビタミンDとの関連を知りました。ビタミンDはとても興味深いビタミンで、私が関心を持ったのは、ビタミンDにより転倒することが減るとの報告を知ってからです。いろいろ調べてみると、生活習慣病(高血圧や糖尿病)の進行防止や一部のガンの予防など、他のビタミンには無いユニークな働きがわかりました。そして昨日、Klotho遺伝子を増やす作用がビタミンDにあることを知り、老化を遅らせることができるかも知れないと思った次第です。

このKlotho遺伝子は腎臓に多く存在することが知られています。東洋医学で言う《腎》は腎臓とイコールではありませんが腎臓の機能も含有しています。そして東洋医学で言う《腎》は、加齢と密接に関係し、《腎》の働きが低下した《腎虚》は老化現象を引き起こします。《腎》は骨とも関係しているとされることから、{骨、転倒、ロコモティブシンドローム、ビタミンD、Klotho遺伝子、老化、《腎》}が一括りにできるのです。今、私は興奮しています。すごいことじゃありませんか?老化予防に《腎虚》を改善する漢方薬だけでなくビタミンDも有効かもしれません。Klotho遺伝子は見つかって10年程度の遺伝子ですから、断定はできませんが一つの可能性としてビタミンDの作用には注目し続ける必要がありそうです。

しかし、ビタミンDは脂溶性ビタミンで蓄積性があるとされ、安易な使用により高カルシウム血症になることもあり、専門家に相談して安全に使用してもらいたいと考えます。安全性という点ではサプリメントや健康食品の方が医薬品より安全なイメージがありますが、消費生活センターには健康食品・サプリメントの問題は毎年トップクラスですし、危険な医薬品成分が含有されている製品もありイメージと現実に大きな違いを感じます。また、効果の点でも、全く体内に吸収されない製品もあり、期待外れに終わることも少なくないようです。ですから当薬局では基本的に医薬品で提供するようにしてますし、製造メーカーを吟味して選んでいます。このことは、他の栄養素・食品成分にも当てはまることでしょう。

別の栄養素としてEPA(イコサペンタエン酸)は、魚油の成分として知られています。この栄養成分が注目されたのはエスキモーに動脈硬化疾患が少ないことがわかったからだと思います。ですから医療用として脂質異常症の改善に使用されてるわけです。医療用だけでなくサプリメントとしても市場に出回っており、血液サラサラ成分として利用されています。

もともとが魚油ですから医薬品と言っても非常に食品に含まれる成分ですので、安心感が違うと思います。その作用は、細胞膜の柔軟性や神経の保護にもかかわり、全身に及ぶと考えます。あくまでも可能性ですが、アルツハイマー認知症うつ病、各種神経変性疾患不妊症、アレルギーなどの病気に対して研究が進んでいます。仮に、これらの病気に対して効果が無くても、動脈硬化の進行防止に役立ちますし副作用の可能性は食品並と考えれば、メリットの多さに比べデメリットは非常に小さい栄養素と考えます。

EPAの作用は、その抗酸化作用(活性酸素を抑える働き)が中心と思うのですが、逆に言えばEPA自体が酸化されやすいのです。酸化されたEPAは生臭く(魚の腐った臭い)、その効果は劣ります。精製度もメーカーにより相当の差があり、ここでも製品の良し悪しが効果に影響を及ぼします。確実に効果につながる点で、医薬品とサプリメント・健康食品の差は大きいと考えます。

他に、亜鉛や整腸剤にも注目してますが別の機会に改めて書いてみたいと思います。
今ほどラジオで、昨日の事故を起こした方は大動脈解離と言ってました。「ヒトは血管と共に老いる」と言いますように、血管の健康度は老化と大きく関係します。私が注目している栄養素・食品成分は、治療的栄養素であり積極的予防も期待できる栄養成分だと視ています。予防医学が重要となるこれから、上手く活用したいものです。



漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー)
http://hirohashi-pharma.sakura.ne.jp/ (アドレスを変更しました)

過去のブログの主なものはホームページにリンクを貼ってありますから、見たい記事がありましたら《ひろはし薬局のホームページ→過去のブロ
グ》から探してみてください。(現在の更新はしてませんが・・・)
  あるいは⇒http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/sub6.htm

メールは《Re:タイトル》でお願いします。メールマガジンの申込も随時受付中
     ⇒8hirohashi@gmail.com

薬事法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。お知りになりたい場合は、直接ご連絡ください。

講演の依頼に関しては、ホームページに掲載してある講演内容を参考にして、お申込下さい

訪問による出張相談にも応じています。
引きこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、病中・病後など体力低下による外出困難な場合、などに