どうしたら慢性の痛みを和らげられるか?

先々週のアトピー性皮膚炎治療研究会に続き、先週の東洋心身医学研究会で、ひとまず年初の学会・研究会ラッシュは終わりを迎えました。次は6〜7月に少ないピークがあり、10月以降に秋の学会ラッシュに突入して12月の日本心療内科学会で終わるというパターンが近年の傾向です。主に漢方・東洋医学と心身医療・心理療法が私の活動の中心で、これらの学会・研究会に参加していると自然と、治り難い病気・珍しい病気・難病・現代医学では対応できにくい病気、などの報告を多く知ることになります。新しい研究結果に触れることが出来たり、総合診療として東洋医学心理療法を上手く組み合わせて対応したケースなど、新しい知識を仕入れることができるので非常にタメになります。

身体の警告反応として発せられる「痛いっ!」という反応は、内科・外科・婦人科・眼科などを問わず、全ての診療科で聞くことができる症状です。そして大部分の痛みは原因が特定され適切に治療がされています。しかし一方で原因が治ったにもかかわらず痛みだけが残るケースやガン性疼痛のように原因を治療しきれずに痛みが続くケースもあります。このようなケースには、麻酔科やペインクリニックで神経ブロックが行われたり麻薬系の鎮痛薬を用いた緩和医療が施されることになります。

痛みに関しては、かなりコントロールできるようになってきた感がありますが、まだまだ完全ではないために痛みに悩む患者さんは整骨院・整体治療院・鍼灸・あんまマッサージ・カイロプラティック・健康食品やサプリメント・・・など、あれこれ彷徨うことになります。当然、私ら薬局薬剤師に相談されることも珍しくありませんが、通常ではビタミンB群を中心としたビタミン剤やグルコサミン・コンドロイチンなどの製品を薦めることになります。もちろん鎮痛剤の内服薬やパップ剤などを使用しますが多くはドラッグストアなどで使用済みですので、改めて使用することは少ないでしょう。

先の東洋心身医学会では、味覚障害と舌痛症が三叉神経を介して一連の病態を形成していることを知りました。私ら薬剤師にとって解剖学は浅く習った程度(と記憶しています)なので、そんなこともあって神経内科学の教科書を購入しました。改めて勉強し直さなければと考えているところです。

それはさておき、多くの慢性疼痛は警告反応としての炎症が治まっているにもかかわらず生じています。近年は神経障害性疼痛としてテレビコマーシャルなどでも広告されており、名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。「ビンビン、ジリジリ、・・・、こんな痛みは神経障害性疼痛です」と。この薬の作用は抗テンカン薬と同じように神経の異常興奮を抑えることです。だとしたらテンカンに使われたことがある漢方薬が効果的かもしれませんね。ただ、現代の抗てんかん薬と漢方薬が同じ作用でテンカン発作を抑えるわけではないかも知れませんが一つの可能性として期待できます。また東洋医学では「通ずれば痛まず」という言葉があり、気・血・水(津液)の流れがスムーズなら痛みは発生しないと考えて、気・血・水(津液)の流れを調整する漢方薬を使用し効果を上げています。これは、痛みが継続する体質を変化させる方法で根本療法に近い方法と言えます。

そして、長引く痛みは不安感を生じコミュニケーションや日常活動に影響が及び、その結果として再び痛みに注意が向き、痛みを強く感じると言う悪循環が出来上がります。こうなると本来の痛みよりも何倍にも痛みが増幅され強く感じるので、益々孤立することにつながってしまいます。うつ病や引きこもりなどの精神疾患に発展することもあるなど、適切な対応が必要とされるのです。ですが、心理面までケアしてくれる医療者は少なく心療内科などが引き受けることが多くなっています。

そこで、慢性の痛みに対しては、薬局では漢方薬を使ったり心理的なケアを中心にサポートすることになります。もちろんブロック注射も麻薬の使用もできませんが、漢方薬心理療法を組み合わせることで相当な効果を上げることが可能となります。また、少し面倒でも、痛み日記として痛みの起きやすい時間帯、強弱の変化、仕事・食事・ストレスなどとの関係、天候、などを記録すると痛みをコントロールしやすくなりますし、対処法をアドバイスすることもできます。強い治療が行えないだけに、このような工夫が必要ですし有効だとも考えます。ただ、漢方相談を行う薬剤師に比べて、心理的なケアまで関心を持って対応できる薬剤師は非常に少ないので、総合的に相談できる薬剤師を探すのは困難かもしれません。
当薬局では、私が漢方と心理の両方に関心を持って勉強してますので、相談できる方は連絡ください。


漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー)
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