歯周病は侮れない

厳しい寒さの時期も過ぎ、穏やかではありますが花粉症の真っ最中です。花粉症の人には気の毒ですけれど、ゴールデンウィーク頃まで上手く乗り切っていただきたいと思います。花粉症の薬で中心になっているのは第2世代抗ヒスタミン薬というアレルギー用薬です。今までは医療用しかありませんでしたが、数年前からOTC薬として薬局の店頭でも販売できるようになり、今では数種類の第2世代抗ヒスタミン薬が発売されています。効果に大きな差は無いとはいえ、やはり特徴があるので改めて調べ直してみました。偽薬と比較して余り差が無いものから効果が早いもの、長時間効き目が持つものなどの違いがあります。もちろん個人差はありますが、これらのデータを参考にしながら漢方薬の特徴も含めて適切なアドバイスを心がけたいと思います。

さて、私の友人で薬剤師のSさんが昨年入院をしました。先日彼に会った時、簡単に状況を伺ったのですが、彼が罹った病気は腎膿瘍という腎臓に膿が溜まる病気です。彼も私と同用に薬局を経営しており、なかなか休みが取れないものからズルズルと重症化していったようです。「紺屋の白袴」と言われるように、私らも生身の身体ですし老化も確実に進行してますから、人に言うだけでなく自らも健康チェック・早期受診を意識しないといけませんね。

そこで気になったのは、「腎臓の膿はどこから来たのだろう?」ということ。彼によれば思い当たることは無いとのことですが、よくよく聞けば歯周病がありますから、これが原因だろうと落ち着きました。確か2〜3週間くらいの入院だったと思いますが、本当に回復するのに数か月要しています。改めて、歯周病の恐さを認識させられました。

よくよく考えれば、歯周病菌は常に血管内に侵入しようと試みているわけですから(イヤ、実際に侵入しているのでしょう)、身体の条件が悪ければ(睡眠不足や疲労や栄養不足などで抵抗力が低下していると)、侵入し増殖し全身に散らばって好条件の臓器に巣食ってしまいます。我々の身体も、よく歯周病菌を監視して侵入した菌を退治していますが、24時間365日ベストコンディションという訳にはいきませんから、スキを突かれることがあるわけですね。気をつけなくてはなりません。

そんなことを考えていたら、ニュースが入りました。歯磨きの頻度と生活習慣病の関係についてです。まず以下に結果を示します。
歯磨きの頻度(毎食後群、少なくとも1日1回群、1日1回未満群)と生活習慣病の罹患割合(虎の門病院:桑原政成氏による)
高血圧症  (13.3%、17.9%、31.0%)
糖尿病   (3.1%、5.3%、17.4%)
脂質異常症 (29.0%、42.1%、60.3%)
高尿酸血症 (8.6%、17.5%、27.2%)
慢性腎臓病 (3.8%、3.1%、8.3%)

歯磨きで歯周病を完全予防できるわけではありません。しかし、口腔内の衛生が保たれていればリスクは減ります。この結果を見ると1日1回未満(1回も磨かない日がある)のグループで病気の割合が圧倒的に増えています。
もちろん、上記の病気以外にもアレルギー・免疫疾患、婦人科疾患、精神疾患、皮膚疾患、肝臓疾患、など多くの病気との関連が歯周病に認められています。

歯茎の色や腫れ具合はセルフチェックできますから、普段は自分で管理し定期的に歯科医で専門的なチェックを受けるようにするといいでしょう。でも、その前に歯磨きをキチンと行いましょう。


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー)
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