紫外線ケアで皮膚老化防止を

6月の下旬は毎年、梅の収穫をします。昨年は不作だった我が家の梅も、今年はそこそこ実をつけてくれました。剪定の仕方が悪いのか、ほとんど実をつけない若い梅の木も、今年は例年以上に実を着けてくれました。自然の恵みに感謝です。一部は梅干しに、一部は梅ジャムに、一部は梅酢にと、いろいろな形で食事に変化を与えてくれます。残念ながら、今年は梅酒に回る梅はなかったのですが、数年物の飴色に変化した梅酒が控えてますから大丈夫です。
梅雨の真っ最中での梅干し作りは天気とも勝負で、タイミングよく干せるといいのですけれど・・・。梅雨が明けると、本格的な夏を迎えることになるのですね。

農家や漁師の首の後ろ(うなじ部分)を見ると年配者であれば大抵ヒシ型のシワを確認できます。これは、長年紫外線に当たりながら屋外作業をしてきた証みたいなものですが、紫外線による皮膚老化の影響の一部です。シワを作る紫外線は主にUVAで、日焼け止めクリームを選ぶときはPAの表示を見て、PA+〜PA+++の中から適切なものを選択します。あまりないとは思いますが、PA表示のない製品はUVAカット効果は期待できません。

また、シミや日焼けや皮膚がんなどの原因となる紫外線はUVBで、こちらはSPFで表わされています。日常生活で使う範囲ならSPF20〜30程度のもので十分とされています。紫外線防止剤には吸収剤と散乱剤があり、一般的には散乱剤を使用した製品が皮膚への刺激が少ないとされます。今まで散乱剤は使用感の点で吸収剤に劣っていたのですが、近年の製品はメーカーの努力もあってSPF40〜50の製品でも使いやすく改良されています。

紫外線ケアの基本は、露出を控えた服装や日傘の使用に加えて、日焼け止めを上手く使用することです。特に日焼け止めは、汗や接触などの影響により皮膚表面に留まっている時間は2時間程度と考え、こまめに塗ることが重要です。日常生活では高いSPFよりも頻回に塗るほうが大切なのです。

紫外線を受けた皮膚では、酸化反応によりダメージが進むと考えれれますから、体内からの活性酸素対策を行うと更に効果的となります。最近資生堂のグループから、興味深い報告がありました。薬膳材料としてもお馴染みの生薬クコシにかなり強い抗酸化作用が認められたというもので、その結果紫外線による皮膚の着色変化が明らかに少なくなったというものです。クコシに含まれるカロチノイドの一種ゼアキサンチンに強力な抗酸化作用が認められ、皮膚の着色防止に作用しているようです。

もちろん抗酸化作用はクコシだけではありません。トマトのリコピンなどは有名ですし、多くの植物は紫外線から植物自身を守る抗酸化物質を合成して持っていますから、太陽をたっぷり浴びた旬の緑黄色野菜を積極的に摂ることで紫外線対策になります。ただ効果が強いか弱いかは野菜や果物の種類によりいろいろですけれど、基本は新鮮で旬の食物を摂ることが体調管理の点でも重要です。

クコシは、漢方薬に使用され、脳機能や肝機能や視機能の回復や老化防止に使用されています。また生殖機能を強化することから不妊症などに使うこともあります。漢方薬局や中華材料店などで入手できるクコシは、ちょうどレーズンのようで、赤くで甘いことから多種の料理やお菓子など広く使用されています。

健康管理だけでなく紫外線ケアから美容にも良いクコシを、料理に取り入れ薬膳料理の第一歩とされたらいかがでしょうか?



漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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