失明に至る怖い緑内障

何か得体のしれない不気味な動きを感じています。各国で繰り広げられる無差別テロ事件、英国での国民投票によるEU離脱、米国のトランプ人気、国内でも明確な理由のない殺人、・・・これらに共通項など無いように思えますが、私には地下のマグマのような動きが形を変えて吹き出し始めたように感じられるのです。行き過ぎた資本主義への警鐘なのか、門外漢の私には知る由もありませんけれど、嫌な予感が当たらないことを願っています。

まだ7月に入ったばかりなのに、もう40度近い気温を観測しました。一体今年の夏はどこまで暑くなるのでしょうか?暑さで有名な地域はいくつかありますが、岐阜県の多治見市もその一つです。ここでは眼科領域で有名な多治見スタディというレポートがあります。緑内障疫学調査の代表ともいえる研究で、日本人には正常眼圧緑内障が意外と多いことが知られることになりました。眼科医にとっては当たり前のことかも知れないものの、正常眼圧緑内障が意外に多いことを知った私は非常にびっくりした記憶があります。

もともと緑内障は、眼圧が上がることで目の奥にある視神経に傷害が及び視力が低下する病気です。ちょうど高血圧が長く続くと血管が傷害され動脈硬化が進行し脳卒中心筋梗塞を発症するパターンと似ています。動脈硬化の進行に相当するのが視力低下ですし、脳卒中心筋梗塞に相当するのは緑内障発作なのかもしれませんが、失明は目の死亡に相当します。動脈硬化の進行を完全にストップさせる薬や治療法が無いように、緑内障の進行を完全にストップさせる治療法もありません。

ですが、血圧コントロールにより日本では脳卒中が減ってきたように、眼圧をコントロールすれば失明するほどの重度の緑内障は減らせるのです。そこで正常眼圧緑内障(眼圧が正常でも視力低下が進むタイプの緑内障)でも、眼圧を低下させる治療が行われています。
目の成人病ともいわれる緑内障は加齢とともに増え、多治見スタディでは40歳以上の人口の5%が緑内障で、しかもその内の7割は正常眼圧緑内障との結果が出ています。

これだけ正常眼圧の割合が高いということなので、日本人はもともと高い眼圧に弱い人種だと考えられています。さほど高くない眼圧でも視神経が傷害され視力が低下するのが日本人に多いタイプの緑内障です。
今年1月に眼科系雑誌に発表された米国の研究によると、青菜類を多く食べる人ほど緑内障になりにくいと報告されました。一番多く食べたグループと一番少ないグループを比較すると、緑内障の発症が2〜3割少なかったとのことです。

緑内障の進行(視神経傷害)には眼圧以外にどんな因子が関わっているのでしょう。いろいろな因子が上がっていますが、大雑把にまとめると血流障害が一番となるようです。青菜との関係でいえば含有の硝酸成分により一酸化窒素が作られやすくなり良好な血流が保たれるからかもしれないと結論付けられています。発症予防と進行防止では意味合いが異なりますから単純に関連付けられませんが、医療以外にもできることがあるのは心強いものです。

血行促進が重要となれば、タバコなどは最悪ですね。目に良いとされるアントシアニン(ブルーベリーなどに含まれる)やルテインやビタミンAも、血行に対する影響は少ないと思います。私なら動脈硬化対策も兼ねて積極的に血行を促進する漢方薬や天然物製剤を選択したいと思います。緑内障だけをターゲットにするなら、利水作用と血行促進作用のある漢方薬を体質に合わせて選びます。
もちろん、お金をかけなくても、新鮮な青菜を積極的に摂るように献立を工夫すれば、一人でも失明の危険から遠ざかるようになるはずです。



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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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