酒で顔が赤くなる人は、食道がんに注意!

東日本の太平洋側を中心に大きな被害をもたらした台風。進路を定めずに不気味に巨大化する台風。長期予報では、残暑が厳しいとのことですから、しばらく台風の発生や推移から目が離せません。またイタリアやカンボジアで起きた地震など、私たちの身の回りには自然災害がいつ襲ってきても不思議ではありませんから、日頃から用心や対策を怠らないようにしましょう。9月1日の防災の日を前に、改めて肝に銘じたいと思います。

こんなに暑い日は、やはりビールでしょうか?中にはどんなに暑い日でも「燗酒でなければ・・・」という方もいるのでしょうね。ただ、アルコールは食道がんの危険性を高める飲料ですから、やはり上手に付き合いたいものです。
ここでまず質問です。
 1.現在、コップ1杯程度の少量の飲酒で、すぐ顔が赤くなる体質がありますか?
 2.飲酒を始めたころの1〜2年間は、ビールコップ1杯程度の少量飲酒で、すぐ顔が赤くなる体質がありましたか?
どちらか一つでも《はい》と答えた方は、アルコールを分解する過程でできるアセトアルデヒドという強力な有毒物質を解毒する酵素(ALDH2)が、弱いか働きがないと言われます。

二日酔いで、頭痛や嘔吐・吐き気がするのは体内に残っているアセトアルデヒドの作用ですけれど、アセトアルデヒドはWHOが認定した立派な発がん物質でもあるのです。
少量のアルコールで飲み初めのころ顔が赤くなったり、今も顔が赤くなる人をフラッシャーと呼びますが、このフラッシャーの方は特に食道がんになる危険性が高いことが解っています。

飲酒の習慣がない人を基準にした場合、日本酒換算で週9合以上飲むフラッシャーは食道がんのリスクは43倍、週18合以上飲むフラッシャーになると食道がんリスクは73倍になるとの報告があります。
週9合と言えば、1日2合飲んで休肝日を週に2日守っていても2合×5日で10合になりますから43倍ですね。暑い夏はビールや発泡酒になるでしょうから、1週間に350ml缶で14本以上あるいは500ml缶で10本以上飲んでしまう方は43倍になるのです。

「私は350ml缶12本だから」と言って安心しないでくださいよ。危険性は階段のように急に上がるものではありませんから、43倍でなくても30倍くらいは覚悟しましょう。
また食道がんは、度数の高い状態のアルコールなら更に危険性が高くなります。ウィスキーやブランデーをストレートやロックで飲む方は、濃いアルコールが直接食道粘膜を刺激しながら通過しますから、できれば水割りなどで薄くして飲むことをおすすめします。愛飲家には野暮な話かもしれませんが、いつまでもお酒を飲める人生を楽しみたいのなら飲み方も工夫されると良いでしょうね。

そして発がん物質の塊ともいえるのがタバコ。もしもアルコールと一緒にタバコを吸うのなら、アルコールに溶けたタバコの発がん物質が食道粘膜を傷つけ癌化を早めます。
濃いアルコールと分解の過程でできるアセトアルデヒドとタバコ、この3つは食道がんにとっては最悪の組み合わせとなります。

ここで食道がんの危険性を減らすような工夫として、果物や緑黄色野菜を積極的に摂りいれませんか?これらの食品に含まれるビタミンやミネラルやフィトケミカルと言われる栄養素が、少しですけれど食道がんのリスクを下げてくれます。自然災害と同じで、できる範囲での日頃の対策が重要かもしれません。
人生を楽しく過ごすための嗜好品で苦しまない人生を送りたいものですね。




漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
http://hirohashi-pharma.sakura.ne.jp/ (アドレスを変更しました)

過去のブログの主なものはホームページにリンクを貼ってありますから、見たい記事がありましたら《ひろはし薬局のホームページ→過去のブロ
グ》から探してみてください。(現在の更新はしてませんが・・・)
  あるいは⇒http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/sub6.htm

メールは《Re:タイトル》でお願いします。メールマガジンの申込も随時受付中
     ⇒8hirohashi@gmail.com

薬事法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。お知りになりたい場合は、直接ご連絡ください。

講演の依頼に関しては、ホームページに掲載してある講演内容を参考にして、お申込下さい

訪問による出張相談にも応じています。
引きこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、病中・病後など体力低下による外出困難な場合、などに