うつ病、抗うつ薬以外の選択肢

九死に一生・・・ほとんど絶望的な状況にもかかわらず、幸運が重なり助かった場合などで使います。時々、TVでも特集が組まれて「この状況でよく助かったなぁ」と感心することが多くあります。災害の多い日本列島において、何が生死を分けるのでしょうか?単なる偶然なのでしょうか、それとも必然が重なった結果なのでしょうか?私は、希望的憶測も交えつつ、ある程度の必然性が関係したと考えたいです。神様・仏様に祈ることも重要かもしれませんが、それは自分でできることをやった後にしたいものです。
悲惨な災害でも助かった人の行動をビッグデータとして解析したら、何か助かる要素が見つかるかもしれません。そんな知識を大勢の人と共有したいものですね。

人は自身の努力や工夫が及ばない脅威に対して、ストレスを感じ無力感を覚えます。こんな状況のもとで、その人にとって価値あるものを失ったとしたら、虚無感に襲われ《うつ病》を発症しても不思議ではありません。「価値あるもの」とは、人それぞれで、身近な人かもしれませんし、思い出の品物かも知れませんし、財産かも知れませんし、今までの何気ない日常生活かも知れません。人は、失って初めて失くしたものの価値(大切さ)に気づくものかもしれませんね。

うつ病の発症に喪失体験が関係することは多くの方が知っていることと思います。その人にとって大切な何かを失った時に、心のエネルギーも少なくなってしまいます。その心のエネルギーは、セロトニンノルアドレナリンなどの神経伝達物質とされ、脳内で減少すると神経伝達がスムーズにできなくなる(心のエネルギーが低下した状態)ので、うつ病の症状が現れます。
ですから抗うつ薬は、この減少したセロトニンノルアドレナリンなどを増やす作用で、効果を現しています。

ところが理論通りにいかないのが現実で、抗うつ薬が効かないうつ病患者もたくさんいます。この効かない患者さんの中には、初期症状がうつ病と似ている躁うつ病双極性障害)や、適応障害や気分変調症なども多数含まれていると思われます。
私のところの相談者は、漢方薬やカウンセリングを求めて来られますので、抗うつ薬以外の選択肢として今回はこれらを紹介したいと思います。しかし、栄養や運動によりうつ病が改善している報告もあり、生活面のアドバイスとして重ねて説明していますし、特に魚類の摂取は強調しています。

さて、心のエネルギーを東洋医学でいう《気》とすれば、エネルギーが減少した状態の《気虚(ききょ)》と、エネルギーが必要な部位に充分巡らない《気滞(きたい)》あるいは《気鬱(きうつ)》に大きく分けられます。《気虚》はさらに、生成が減少しているタイプと消耗が亢進しているタイプに、《気滞》も滞る部位によりタイプ分けできます。このタイプが東洋医学で《証(しょう)》というもので、見立てを誤ると全く効果が現れない結果になりますし、ピタリと合えば意外に早く改善に向かうものです。

ですから漢方薬を飲むには自分がどのタイプかを知ることが重要なので、漢方薬に詳しい専門家に相談するのが一番です。私のところでは、タイプ別に生活のアドバイスを変えて、病気になりやすい生活スタイルからの脱却を促しています。うつ病の短期間での回復と再発防止を図るには、非常に重要なことだと思いますし、漢方相談の大きなメリットだと考えています。

また、漢方薬が体質改善に効くのに対し、カウンセリングは心の体質改善に効くのだと考えています。例えば、抗うつ薬を飲んで治っても再発しやすいのは、物事に対する考え方・気分のリフレッシュの仕方・コミュニケーションのスタイルなどに変化がないからだと考えられます。ですから、認知行動療法などで物事の考え方や受け止め方を広げたり、ヨガや自律訓練法で気分をリフレッシュしたり、対人関係療法交流分析や家族療法(システムズアプローチ)などでコミュニケーションが円滑になれば、うつ病から完全に卒業できるのです。

当薬局では、漢方相談も心理相談も両方できるので、単独ですることもあれば適宜組み合わせて行うこともあります。最終的には、漢方薬もカウンセリングも必要とせずに自律した生活を送れるようになるのがゴールですから、より健康的な生活スタイルやストレスの影響を減らすスキルなどを身に着けての卒業が、今の私が考える理想です



漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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