《風邪》で薬を使うなら……

高樹沙耶さんが大麻所持で逮捕されてしまいました。テレビドラマ《相棒》のファンとしては、とても残念な思いがあります。女優業を引退されてからは何をしていたかサッパリわからなかったのですが、参院選で久々に見た時にはガラッと変わったイメージにビックリしました。そして、「医療用大麻を合法化する」という主張に、再度ビックリでした。まさか、こんなことになるとは全く予想できなかったですね。大麻が医療用に使えるにしても、敢えて法を変えてまで医療現場で大麻を使う意味は無いと思うので、担当学校の《薬物乱用防止教室》で話をする立場としては反対です。しかも時々ワイドナショーで流れるシーンに「(大麻は)漢方薬みたいな……」との表現がありますが、大麻漢方薬を一緒にしないでいただきたいものです。このブログを読んでくださっている皆さんにおかれましては、くれぐれも誤解なきようお願いいたします。

さて、以前から考えていることですけれど、仮に病気で使う薬が全く(ほとんど)意味がないと気づいたら、どうしますか?意味がなくてもデメリットが無ければ使うでしょうか?多少症状が軽くなるけど治るのが遅れるとしたら?
市販の風邪薬って、こんな疑問の宝庫だと思っています。一般的な処方内容は、熱や痛みを緩和する解熱鎮痛薬、鼻水やくしゃみを抑える抗ヒスタミン薬、咳を止める鎮咳薬や痰の出を良くする去痰薬。と、基本的な処方はこのように組み立てられています。

かなり以前から、発熱は免疫反応を促す仕組みなので熱を下げることで免疫反応を抑えることが指摘され、いろいろなインフルエンザの研究で解熱剤はほとんど必要ないとわかっています。ただ相当な高熱や頭痛・関節痛などでは最小限度の使用はやむを得ないとされています。でも市販薬って全部入っているから、飲むか・飲まないかの選択肢しかないのです。

鼻水やくしゃみも、異物や病原菌を排除する仕組みと考えたら、抗ヒスタミン薬で抑える方法にメリットがあるのかなぁ???しかも小児では熱性けいれんを誘発する危険性があり、小児科医はほとんど使わないですよね。あまりにも鼻水がダラダラでは生活に支障がでるでしょうし、くしゃみをしながら外出されては公衆衛生上良くありません。ですからこれも必要最小限でいいのではないかな。

咳に関しては、咳の原因を考えずに止めたら肺炎になる可能性が出てきます。粘膜の乾燥による刺激反応性の咳なら止めてもいいのでしょうが、痰がでてくるような咳なら止めると痰が溜まったりして息苦しくなるかもしれません。痰は切れやすいほうがいいので去痰薬はあった方がいいでしょうけど、市販薬の場合は大抵これらも解熱鎮痛剤や抗ヒスタミン薬と一緒にセットで処方されています。

私は以前から、単品の症状別市販薬が欲しいと考えていたのですけれど、残念ながら見たことはありません。だから、風邪の相談を受けても市販薬で積極的に使いたい薬って無いので困っているのです。
それでも漢方薬の知識があるので、漢方薬を飲んでいただける方なら対応はできるのですけどね。漢方薬って不思議なもので、例えば発熱が必要なタイミングでは発熱を促すように働き、免疫系を活発にして結果的に早く解熱させるのです。インフルエンザに対するタミフルとのガチンコ勝負でも漢方薬が勝っているとの結果も出てますし、咳に対しても咳反射を静めるものから肺痰をスムーズにするものまで多くの種類があるのです。お陰で勉強不足では使いこなせないのが漢方薬なのですけれど……。

そして、抗生物質は主に肺炎の治療や予防などを目的に医師が処方しますが、抗生物質も風邪症候群なら使う必要性は低いとされます。必要ないケースに使えば副作用のリスクが高まりますし、耐性菌を増やすことにもつながります。だから、良心的な医師は、いろいろ悩みながら、抗生物質や解熱鎮痛剤や抗ヒスタミン薬などを使っているのです。中には、風邪に似て非なる別の病気の初期症状も紛れているでしょうから神経が相当擦り切れているのです。

私らができることは、日頃の生活で無理をせず体調管理に努めることですね。風邪をひきやすい人と風邪をひきにくい人、この差は何でしょうか?風邪をひきにくい人は、単に丈夫なだけでなく、風邪をひかないよう見えない努力を日頃からしているのです。健康は作るもの。健康生成論に基づいた当薬局作成の飼料をお役立てください。




漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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