そろそろ花粉症の対策を

 今朝、突然の訃報にビックリしました。アイドルグループ『私立恵比寿中学』の松野莉奈さんが18歳という若さで亡くなったということです。同年代の子供を持つ者として、非常に悲しく感じます。でも、これが現実なのですね。彼女に何が起きたのか、推測でしかありませんが私なりに考えてみると、心臓に何らかの奇形があり死に至るような不整脈を起こしてしまったのではないでしょうか。彼女らの活動は詳しく知りませんが、過密スケジュールであれば、疲労や睡眠不足が不整脈を誘発した可能性もあります。若くても、時々は自分の脈をとってみることが大切なのでしょうね。松野莉奈さんのご冥福をお祈りします。

 関東地方では、雪が降っているようですが、今日の長岡はとても穏やかな天候となりました。積もった雪の高さも相当低くなり、確実に春の足音が近づいてきています。雪が消えることは嬉しいことでも、今や国民病と言われる花粉症を持つ方にとっては辛い春を迎えることになります。受験生にとっては、インフルエンザ対策や花粉症対策をしながら、受験勉強する過酷な時期でもあります。そんなハンディを背負っている受験生には、是非とも志望校に合格して欲しいものです。健康上の不安を抱えている受験生の皆さん、気になることがあれば相談ください、必ず役に立つことと思います。

 花粉症には、抗ヒスタミン薬が主に使用されます。ヒスタミンなどの炎症誘発物質を蓄えているマスト細胞(肥満細胞)に、花粉などのアレルギー物質が抗体を介して結合した時に、マスト細胞の細胞膜が破れ放出されたヒスタミンなどが、充血や発赤や腫脹などの炎症反応を起こします。ですから、この反応を抑える薬として抗ヒスタミン薬が花粉症などのアレルギー疾患に使われます。この抗ヒスタミン薬は基本的に対症療法ですから、症状が出てから飲むものです。しかし、花粉症の症状が出る2〜3週間くらい前から抗ヒスタミン薬を飲む初期療法という方法があります。

 この初期療法を行うと、花粉症の重症度が初期療法を行わない時と比べ軽く済むとされており、実際の診療現場で一般的に行われています。もちろん、予防投与はインフルエンザワクチン同様、保険診療の対象外となりますが、重症度が下がれば花粉症シーズンの薬の使用量も減るので、大きなメリットがあると考えれれます。そして、最近の抗ヒスタミン薬は、第2世代と言われる眠気の少ないタイプが主流ですから、眠気による集中力や注意力の低下を心配することが軽減できるのです。ただ、眠気の指標とされる脳内占拠率は、完全にゼロ%ではありませんので、全く眠気がないわけではないのですが、旧来の第1世代に比較したら雲泥の差となります。

 今日の天候などから時期的には、当県内でも初期療法をそろそろ開始しても良いでしょう。もちろん、例年の花粉症症状発現時期や重症度などを考慮して個人個人ベストのタイミングは異なることでしょう。そして、この初期療法に漢方薬という選択肢もあります。花粉症症状は東洋医学的に、痰飲(水毒)や寒(冷え)が大きく関係しますから、この対策を漢方薬で行うわけです。抗ヒスタミン薬のような眠気などの副作用の心配はありませんが、漢方薬でも不適切な使い方で副作用は出ますので、漢方薬に詳しい専門家に相談の上使用されることをお勧めします。

 また、予防効果がある食品として、ミカンの皮とヨーグルトに含まれる成分を同時に摂取すると花粉症患者の症状が和らぐとする研究結果を、愛媛大の菅原卓也教授(食品機能学)らのグループが発表しています。温州ミカンの皮に含まれるポリフェノールの一種「ノビレチン」と、牛乳成分のたんぱく質「βラクグロブリン」に、それぞれ花粉症に関わる炎症反応を抑える働きがあることに着目して、スギ花粉症患者に、すり潰したミカンの皮を混ぜた飲むタイプのヨーグルト(150ミリ・リットル)を1日1回摂取してもらったところ、かゆみなどの自覚症状が著しく低下し、結膜炎の指標となる眼球表面の温度上昇も約半分に抑えられたと報告しています。

 どんな方法を試すにしても、これから始まる花粉症の本格シーズンを前に何ができるか、考えてみたらいかがでしょうか?アレルギー学は現在目覚ましい進歩を遂げています。実臨床で安全に使えるものなら、積極的に試してみてもいいのではないかと考えます。今月は、アトピー性皮膚炎の無料相談(薬や商品を一切販売しない純粋に相談のみ)を実施していますので、この機会を逃さずご利用ください。



漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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