頑張り過ぎが作る病気

 以前から申し込んでいた海外研修が決まったと文部科学省から連絡が入りました。今年の10月から半年間ハワイ大学にて心理療法の研究をしてきます。何かと忙しくなるでしょうがせっかく頂いた機会ですので頑張って乗り切りたいと考えます。年末年始くらいは戻って来れると思うのですが、私を頼って相談に来ている方をどうするか、考えなくてはなりません。

 春の彼岸頃と秋の彼岸頃は季節の変わり目で、身体の不調が現れやすい時期です。不調はその人の弱い所を狙って出てくるので、毎年同じようなパターンで崩れることを自覚している人も多いことでしょう。東洋医学的には、春と秋の季節の変わり目は陰と陽の大きな切り替わり時期ですから、わかりやすく表現すれば自律神経が不安定になりやすい時期と言えます。ですから、この時期の身体の不調は自律神経失調症と表現できるのです。

 例えば、突然汗が出たりするのに手足が冷えたり、動悸を感じたり、血圧が高くなったりして、肩こりや頭痛がする、などの症状のいくつかがあるとします。これらの症状を自律神経活動から見れば、すべて交感神経の働き過ぎで説明がつきます。このような方は最近の私の印象では珍しくなく、増加傾向にあるようにさえ感じるのです。
60才を過ぎた私の知人も、この時期急に血圧が上がり頭痛と食欲低下で悩んで私に相談してきました。私と同様、兼業農家で、普段は自営の仕事と家庭のことを休みなくこなす働き者です。もともと軽い高血圧はあるものの血圧コントロールは良く200近くまで上がってビックリしていました。

 季節の変わり目と春の農作業の準備も加わり、60歳を過ぎた身体には大きな負担になったのでしょう。私より先に相談したかかりつけの医師から器質的な異常は無いとのことですから、自律神経の働きを考えれば矛盾なく説明がつきます。そこで、交感神経の活動について説明し、「頑張ることも大事だけど、身体は休息を求めているようですから、リラックスできるように工夫が必要です。」と、いくつかのリラックス法を教えてあげました。

 それでも根っからの頑張り屋さんですから、急に生活態度を変えることは難しいと思います。交流分析でいうところのドライバー「努力せよ」が体に染みついているのでしょうね。ただ、ここで身体の声をしっかり受け止めて60代の身体に合った働き方ができるかどうかが重要なのです。このような説明を受け入れてくれる人と受け入れない人といるわけですが、受け入れてくれる人の方がスムーズに回復するように感じます。最近はこの感覚の重要性を私自身が意識して説明していますし、自律訓練法やマインドフルネスなどは、この感覚を育むのに向いていると思います。

 かと言って、休息ばかりでは身体は鈍ってしまいますから、活動と休息のメリハリのある生活が基本です。十分な睡眠がとれているのか、週1〜2日の休日で疲れは解消しているか、日中に強い眠気などを感じないか、平日と休日で起床時間は2時間以上ズレていないか、朝食を食べているか、定期的に排便があるか、などをチェックしてみましょう。

 今日から新年度、今日明日でリフレッシュして、新たな気持ちでスタートしたいものですね。本日はエイプリルフールですから、冒頭の3行は冗談です。ちょっとだけ焦って頂いた貴方、私を頼ってくれてありがとうございます。でも、本当の回復力は貴方自身の中にあることを信じていてください。



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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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