規則的な睡眠で生命を守る

 多くの地域では梅雨に入っているのに、新潟県はなかなか入りません。このまま空梅雨で行くのか、あるいは油断している頃にドーンとゲリラ豪雨のように訪れるのか、どちらにせよ天気情報を確認し災害や事故に巻き込まれないよう気をつけたいものです。そして、梅雨が明ければ盛夏、今年も40℃越えの報告があちこちで挙がることでしょう。熱中症対策は、梅雨が明けてからでは遅いので、今から気をつけてください。

 暑さの苦手な私は、夏には寝つきが悪くなります。毎日が睡眠不足との戦い(ちょっとオーバーかもしれません)で、日中の睡魔に負けることもあります。エアコンを上手に使いながら睡眠環境を整えるようにしたいと考えています。と言うのも、睡眠の健康に対する効果がいろいろとわかってきたからなのです。50才を過ぎ、がんをはじめとした生活習慣病にいつ罹ってもおかしくない年齢です。同年輩の訃報や病気の話題に触れる頻度も増えていますし、できる範囲で健康を維持する要因を探っている中で、改めて基本的な生活習慣の重要さがクローズアップされています。

 さて、食うか食われるかという常在戦場にある動物にさえ見られる睡眠には、身体を回復させる重要な働きがあります。脳や内臓などの重要な臓器だけでなく皮膚や筋肉など、使えば傷みも出ますし代謝産物として不要なゴミも出ます。これらの傷んだ個所を修復しゴミを片付け(排泄)ることを、私たちの身体は睡眠中に効率よく行っているのです。ですから、睡眠リズムの乱れや睡眠不足は、高血圧や糖尿病や心臓病のリスクを高め、うつ病などの精神疾患認知症とも関連するとされます。

 例えば、週末や休日に寝だめをする方、逆に週末に夜更かしをする方、平日と休日の起床時間が2時間以上ある方、日中にも眠気を強く感じる方、このような方は健康寿命を縮める生活を送っていると言えます。社会的には過労死やカフェイン中毒など、睡眠不足を示唆するようなキーワードを見たり聞いたりする機会も増えている印象があります。医学の進歩で画期的な治療薬が開発されたりしていますが、睡眠に代わって日中の活動によって生じたゴミを片付けたり傷んだ個所を修復するような薬は恐らく開発できないでしょうし、仮にできたとしても相当高価になるはずです。

 どうやら高度に発達した文明に浸っていると、睡眠や食事といった基本的な(けれども非常に大切な)生活を軽視するようになるのかもしれません。その一方で、眠れないことを過度に心配される方も大勢います。そのほとんどは、不眠・不眠症というよりは不眠神経症とでも表現したくなる人たちです。睡眠に関するいろいろな情報に触れる内、自分の睡眠状態に不安になるのでしょう。残念ながら、私たちの脳は「眠ろうとすれば眠ろうとするほど眠れなくなる」性質を備えています。何事にも頑張る時は眠れないものです。「頑張って眠ろう」としても無理なようにできているのですから、眠ることを意識しないことが一番なのです。

 私の所では、漢方薬を使って頑張りモードを弱めたり、自律訓練法の指導によりリラックスモードを促進したり睡眠から意識を外したりしています。ヨガや瞑想、呼吸法、マインドフルネスなども効果的との報告も多数あります。でも一番肝心なのは、睡眠に対する正しい知識ですから、この説明を一番初めに行うように心がけています。そして、「自分の睡眠は問題ない」と思っている方にこそ、自然な睡眠の大切さを知っていただきたいと願っています。



漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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