日本テレビ系で放送されている「過保護のカホコ」にはまっています。残念ながら来週中に最終回を迎えてしまうのですが、9月6日に放送された場面で印象に残ったセリフがありました。それは三田佳子演じる初代が長女の泉に向かって言った「大事なのは、その愛に自由があるかどうかよ。(カホコから)考えることを奪わないでね。」というセリフ。愛に自由があればストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)などの被害件数も減るんだろうなぁと思ったんですね。先月参加した日本家族研究・家族療法学会でも『愛』と言う言葉を多く聞いた印象深い学会でした。私の相談に『愛』や『自由』はあるのか考えさせられます。
さて、話題はガラッと変わります。性器や肛門に関する悩みは相手が医療者であっても相談するにはかなり勇気が必要だと考えています。ですから相談を受ける私らは、その勇気と期待に応えるよう最大限の努力をしなくてはならないでしょう。もちろん一薬局の薬剤師に出来ることは限りがありますが、できる範囲のことを工夫して結果につなげたいと思うのです。幸いなことにタイトルに掲げたような相談でも、皮膚科学・皮膚病と東洋医学・漢方薬を学んでいるおかげで病態を想像しそれに適した薬を紹介することができます。
ただ薬を決定し販売するだけではダメで、パジェット病などの悪性疾患や性病の可能性があれば専門医に紹介しなくてはいけないし、インキンタムシと考えられれば高い漢方薬ではなく抗真菌薬を使えばいいわけで、直接見ることは無くても現代医学の立場で皮膚や粘膜の性状や経過などを確認して疾患の可能性を絞り込んでゆきます。医薬品メーカー数社からも陰部の痒みに対して抗ヒスタミン薬を中心とした製品のコマーシャルが流れていますが、何が痒みの原因なのかを絞り込んで説明してあげないと、痒み止めの薬を塗って逆に新たな皮膚炎を作ることも考えられます(事実、抗ヒスタミン薬による皮膚炎は珍しいことではありませんから)。
そして、いよいよ漢方薬しか選択肢が無いかなと考えられた時に漢方薬の提案をし、東洋医学的に考える病態や用いる漢方薬と価格なども説明します。ここまでやっても価格などの面で相談が終了することもありますし難しいですね。でも巷には残念なことにぼったくりバーならぬぼったくり漢方屋が存在することも聞きます。相談者の考える自由や購買を決定する自由を尊重することが重要なのではないでしょうか。
デリケートな部分だけに多くはありませんが私が経験したケースには、クラミジアやトリコモナス膣炎などが疑われたケース(漢方薬で軽快)、ステロイド外用薬を使い続け真菌感染を発症したケース(抗真菌薬で治癒)、ナプキンにかぶれたケース(弱いステロイド軟膏にて治癒)、皮膚科専門医の治療にも反応がない単なる陰部掻痒症としか考えられないケース(漢方薬で快癒)、インキンタムシと思い使い続けた薬でかぶれたケース(弱いステロイド軟膏で治癒)、などがあります。ほとんどのケースが2〜4週間の薬の使用で結果が出てますので、3か月以上も同じ薬を続けているようなら別の選択肢を考えてもいいと思われます。
陰部や肛門の痒みでお悩みの方に、少しでも参考になれば幸いです。
漢方薬・心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病・不妊症
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局 廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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