妊娠期の体調管理

 男にはわからない(想像はできるけど)妊娠や出産にまつわる苦労や辛さ。10か月に及ぶ期間、女性は自分とは異なる他人を体内に宿し、本来なら異物を攻撃し排除する免疫反応を適切に調整して出産を迎えます。飲食物に対する嗜好が変化するケースもあれば、好きな嗜好品を中止するケースもあったりと、男性には想像以上の我慢があるのでしょう。ですから私ら男性陣としては、その辛さや苦労に寄り添い共感する姿勢が重要なのだと思います。

 妊娠するまでも、受精卵はいくつものハードルを超えて充分な厚さのある子宮内膜に着床します。現代の生殖医療は受精卵を作る所までは完璧に近いところまで達していると言っていいでしょう。しかし、着床する母体側の管理という点では、まだ充分とは言えない現実があり、卵子の老化対策や充分な厚さの子宮内膜を確保するなどの課題があります。もちろん母体だけでなく男性側にも、精子の量や運動率や奇形率の改善策が求められますし、生殖行為も含めた夫婦カウンセリング(夫婦療法・カップルセラピー)なども体制が充分とは言えません。

 最近の相談を通して感じることは、20〜30年前に比べ全般的に妊娠しにくくなっている印象はあります。大きな原因は高齢化なのかもしれませんが、他にも冷えや生活習慣なども考えられます。そこで最近の私が行っていることは、卵子の老化対策としての抗酸化作用がある医薬品の利用、子宮内膜の厚さを確保するため漢方薬による高温期の改善、精子機能の改善を目指した漢方薬の使用、夫婦関係を改善する家族療法・夫婦療法を基にしたセックスセラピーなど、これらを相談内容により適宜組み合わせて使用しています。
 例えば、卵子の老化対策としての抗酸化作用の利用は「卵子の透明帯の柔軟性を高めて受精率を改善するのでは?」という私の仮説による発想ですが、実際に受精率が高まる印象もあり私とは異なる抗酸化物質を使用した結果が論文化されているので、どうやら仮説は正しいと言えるようです。

 また妊娠してからも、つわりや胎児の発育不良、流産・早産の危機、妊娠高血圧症候群(以前は妊娠中毒症と言っていたもの)などのハードルを越えなければなりません。それぞれの段階で対応する漢方薬が存在するので、薬局においても対応はできますが、食事や生活習慣などに気を配ることが基本です。先日は国立成育医療センターから、早産予防の目的で使われる子宮収縮抑制剤「塩酸リトドリン」を妊婦が使用すると、生まれた子どもが5歳になった時に喘息になる危険性が高まるとの研究結果が発表されました。塩酸リトドリンは安全性の高い薬と認識していますが、漢方薬の選択など気になる方は東洋医学に詳しい専門家に相談されると良いでしょう。

 近年は情報が行き渡っているせいか、私の所に相談に来られる妊娠希望の女性はほとんど葉酸サプリメントを飲んでいます。葉酸不足で二分脊椎という奇形が生じやすいことが知れ渡っているのでしょう。また貧血対策に鉄分を補給したりと、多くの女性はいろいろな配慮をしています。これらの苦労に報いるように努力と研究を怠らないようにしなければと思う日々です。


漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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