肝臓がん予防のための脂肪肝対策

 忘年会シーズン真っただ中ですね。私もこの近年は減ったものの30代の頃は毎週のように週末に忘年会が入っていました。我ながら、よく飲んだものだと思います。当然、この時期に気になるのが”肝臓”でしょう。「○○の力」とか「ヘ〇リ〇ゼ」「ソル〇〇ク」などを飲んで気分的に罪悪感を減らしている方もいるのでしょうし、「俺は大丈夫!」とばかり無頓着な方もいることでしょう。どちらにしても、飲み過ぎには注意が必要ですので、くれぐれも控え目に!

 どうしても”肝臓病=アルコール”というイメージが多くの方に染みついていることと思います。間違いではないものの、近年は肝臓の専門家の間でNAFLD・NASHが話題になっているのです。どちらもアルコールと無関係の脂肪肝脂肪肝炎のことで、将来は脂肪肝による肝臓がんがウィルス性肝臓がんを抜いて肝臓がんの原因のトップになるだろうと予想されています。そして厄介なことに脂肪肝は太った人だけでなく痩せた若い女性にも認められてますから、外見で判断するわけにはいかないのですね。もちろんアルコールとも無関係ですから、飲酒習慣に関係なく知らず知らずの間に肝臓が侵されていることもあるわけです。

 早期発見のためには定期的な血液検査や肝臓のエコー検査が有効ですから、この点では健康診断を定期的に受けることが大切です。そして脂肪肝の怖い所は、単なるフォアグラ状態で留まらず、脂肪肝の状態が続くと肝臓に炎症が起き(脂肪肝炎)、この炎症の持続により肝臓にがんが発生(肝臓がん)することです。ですから、脂肪肝が見つかったら、炎症対策をして肝臓がんを予防することが重要になってきます。

 脂肪肝の原因の多くは肥満による内臓脂肪の蓄積ですが、痩せた若い女性にも意外と多く認められることから腸管の透過性(腸管粘膜が荒れている状態)が高まり、肝臓に傷害を起こしていることが考えられています。そこで、将来の肝臓がんを予防するには、まずは炎症対策として何を使うか?腸管の透過性対策として何をするか?を考える必要があります。脂肪肝にビタミンEやビタミンDが有効との報告があることから、まずはこれらのビタミンを摂りたいものです。ただ脂溶性ビタミンですから摂取量には注意が必要ですから、医師・薬剤師のアドバイスを受けて摂取していただきたいものです。

 また、ウィルス肝炎では漢方薬の使用で肝臓がんの発生を抑えられたとする報告があることから漢方薬による予防対策も考えたいものです。漢方薬は多種類の成分を含み、抗酸化作用・抗炎症作用・肝臓保護作用・解毒作用・など複数の作用により最終的に肝臓がんを予防すると考えます。体質に合った漢方薬を飲むためにも、漢方薬に詳しい医師・薬剤師に相談されることをお勧めします。

 今はまだ多くの方にとって「たかが脂肪肝」だと思いますが、肝臓専門家は「されど脂肪肝脂肪肝おそるべし」と考えているのです。この意識のギャップは注意が必要ですね。今後増えてくるのはアルコールによる肝臓がんではなくて脂肪肝による肝臓がんだということを、肝臓が気になるこの時期に改めて考えていただきたいと思います。


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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