慢性の腰痛への対策

 記録的な豪雪になった北陸地方では、毎日のように除雪などの作業をしなければなりません。数年に1回程度の雪下ろしで済む我が家の屋根も、久々の大雪で重そうです。恐らく、ほとんどの人が明日から屋根に上がって雪下ろしをすると思います。私は、アトピー性皮膚炎治療研究会に出席するため大宮にいますが、帰ってきたら雪下ろしをする予定です。事故の無いよう注意しながら作業をしましょう。

 日本の成人を対象にしたある調査によると、何らかの痛みに悩む人は4〜5人に1人の割合でおり、痛みの原因として男女とも上位に腰痛が挙がっています。そして、痛みの治療(医師の治療だけでなく、整骨院や整体やカイロプラクティックなども含みます)に対し、3/4の人は満足してないとの事です。私ら薬局であれば、単純に痛みに対して鎮痛薬や湿布での対応ではほとんど満足してもらえないということですね。

 近年の痛みの研究により、末梢で起こる炎症性の痛みだけでなく、神経が過剰に反応している神経障害性疼痛があるとわかり、新しい薬剤が使われるようになりました。これはこれで一定の効果を上げています。これらの上行性疼痛伝導経路に対する治療のほかに、下行性疼痛抑制経路に対する治療も加わり一昔前と比べると、慢性疼痛の治療は数段進歩した感があります。下行性疼痛抑制経路に対する薬剤では、抗うつ薬などが使用されています。薬剤に代えて認知行動療法などの心理療法も効果があるとされ、少しずつ認知されるようになってきました。
 私は、認知行動療法にマインドフルネスを加えた発展型(第3世代の認知行動療法)を提供することにしています。心理療法の利点は副作用などを心配しないでいいことと、本人がスキルとして身につけるので再発防止も期待できるということです。

 また、つい最近知った方法に「ハイドロリリース」なる治療法があります。あるいは「筋膜リリース」と言われることもあります。本質的な部分ではどちらも同じ結果を目指していますが、生理食塩水などを注射するハイドロリリースとストレッチなどの理学療法主体の筋膜リリースというようにアプローチ方法が違います。どちらにしても癒着した部位が剥がれれば痛みは激減するわけですので、今後の発展が望まれます。この筋膜リリースの方法を学んでアドバイスすれば薬局でも満足度の高い腰痛相談を提供できるようになるでしょうね。

 ですので当薬局では慢性の腰痛には、まずは鎮痛薬や湿布剤を提案しますが、既に試して不十分だった場合には漢方薬という別の選択肢を示します。加えて、心理療法として認知行動療法+マインドフルネス+αを身につけてもらったり、ストレッチなどを紹介するなど多方面からアプローチする必要があると思っています。松平浩先生が提唱する「これだけ体操」は腰痛借金を溜めないという予防体操ですので、将来の腰痛対策として有用なものはどんどん紹介してゆきたいと思っています。


漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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