女性の低体温と月経異常

 今年は、いわゆる積雪地帯でも豪雪の印象が強かったと思いますし、例年なら春先に降る指雪が関東地方では複数回の大雪で都市機能が麻痺するなど、相当の長期的視野で見れば「やはり氷河期に向かっているのでは?」などと勘ぐりたくもなります。一方、夏になれば毎年のように、猛暑・酷暑で最高気温の記録も更新が当たり前で、「地球温暖化」も納得できる状況です。いったい、どうなるのでしょうか?

 で、医療情報配信サービス「ケアネット」の記事に、「現代女性は低体温 基礎体温36℃未満が4割近く」とありました。5月に行われた日本抗加齢医学会で発表された内容によると、条件を揃えた1972年のデータと比較して、現代の女性は約0.3度体温が低下しているとのことです。ただ、低下しているといっても、低温期の平均は36.2度、高温期の平均は36.8度とめちゃくちゃ低下しているとの印象はありません。これ以上下がるとさすがにヤバいんじゃないかなと思いますが・・・。

 問題なのは、体温の低下により、生理痛(子宮内膜症なども含めて?)・生理不順などの月経異常が増えると考えられること。それは、今回の調査に協力してくれた3万2000人を体温で低体温グループと高体温グループに分けて比較したところ、低体温のグループに月経異常が多いとの結果より考察されています。
 確かに、私も不妊症などの相談を受けていると、多くの女性で何らかの月経異常が認められますし、体温も低めの印象があります。特に高温期の異常が目立ち、高温期で36.5度前後だったり、高温期の日数が12日以下だったりしており、妊娠にふさわしい子宮内膜の厚さが不十分なのだと考えています。

 そして、その低体温グループでは、朝食の欠食割合が高いとか、たんぱく質の摂取不足などの問題が指摘されています。体温の維持には食事からのエネルギー補給は重要ですし、朝食に関しては生体リズム(体内時計)の点からも大切だと思いました。既に先ほどの相談で、朝食とたんぱく質の重要性についてアドバイスをしています。さらに、運動の重要性についても触れてあり、たんぱく質の不足と運動不足により最大の体温産生器官である筋肉量が不足しているのでしょう。この部分は、高齢化社会の今、盛んに言われているフレイルなどと共通する問題ですから、恐らく女性だけでなく現代人の身体は以前よりも高齢者に近づいているのでしょうね。

 最近は、晩婚化などもあり、不妊相談が難しくなっていると感じています。35歳以上の女性では卵子の老化により受精が成立しにくくなっているので、一工夫も二工夫も必要ですし、食事も時間に追われる現代人は疎かになりやすいので忘れないでアドバイスしないとでしょうね。また、この不妊問題は男性にも関係が深いと思っていますが、大抵の男性は男性としてのプライド(?)などでしょうか、相談に乗り気ではないようです。

 不妊症ではなくても、月経異常がある女性は、ホルモン治療や漢方薬の前に、まずは生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。もちろん、治療を受けている女性も、生活習慣を見直すことで、治療効果が上がると思っています。


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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