インフルエンザ予防にビタミンD

 今また台風25号が来ています。先週の24号に続いてですから、どんな影響を及ぼすのか気掛かりです。ただ、不要不急の外出を控え自分の身の安全を最優先しましょう。天気予報のコース予想を見る限りでは、日本海側を大きく回るようですが過ぎ去るまでは油断しないよう注意深く行動したいものです。日に日に涼しくなってゆきますが、台風は夏の名残でもあり秋・冬へ向かうサインでもあります。子供が大人に成長する過程での反抗期に例えるならば、ある意味仕方ないことですね。でも、ケガや事故の無いように気をつけてください。

 夏の名残の一方で、早くも冬の到来を感じさせるのがインフルエンザの流行です。ワクチン接種する人、しない人、どちらも正しい選択だと私は思います。しかし、集団の中で生活するならば、他人(集団)への影響を考える必要がありますので、ワクチン接種が推奨されます。それでも、どうしてもワクチンを接種したくないという場合、例えばビタミンDの摂取という選択肢もあるのではないでしょうか。

 日本の小中学生334人を167人ずつのグループに分け、冬の4ヶ月間ビタミンDを飲むグループと飲まないグループでインフルエンザの発症を調べた研究があります。ビタミンDを飲まなかったグループは31人がインフルエンザを発症し、ビタミンDを飲んだグループは18人がインフルエンザを発症しました。つまり、ビタミンDを飲むことでインフルエンザの発症を42%低下させることができたのです。

 インフルエンザワクチンの場合は、発症を抑えるのではなく症状を軽く抑えるとされてますので、どちらが優れているかという単純な比較はできません。ビタミンDの摂取で症状の重症度に違いがあったのか私の持っているデータでは知りようがありませんが、ビタミンDとインフルエンザワクチンの両方すれば予防効果もあり万が一発症しても軽い症状で済むのかもしれません。

 ただ、インフルエンザ予防のためだけに4ヶ月もビタミンDを飲める人はどのくらいいるのでしょうか。喘息や高齢者など持病のある人は大きなメリットが期待できると思います。また、花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギーのある人も症状軽減などの恩恵が得られそうです。長期的には、大腸がんや乳がんなどの発症が30〜50%低下する可能性があります。ネブラスカ州の55才以上の女性がビタミンDを3年間飲んだ結果では全てのガンの発症が77%低下したとのデータもあります(3年で結論を出すのは短いように思いますが・・・)。

 ただビタミンDは脂溶性ビタミンですから蓄積性の心配がありますので、連用には注意が必要でしょう。小中学生が飲んだビタミンDは1日1200IUですので、成人なら1200〜2400IUとなります。国際的には安全係数を掛けて1日の上限が4000IUとされますから、その半分の2000IUまでなら日本人の体格を考慮しても十分安全に飲める量だと思います。

 インフルエンザ予防の一つの選択肢として、ビタミンDはいかがでしょうか。


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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