風邪・インフルエンザの本格的シーズンを前に、10月31日放送のNHK「ためしてガッテン」はタイムリーな内容でした。要約すれば、3〜4行程度で済むかもしれませんが、さすがバラエティー番組です。退屈させずに難しい内容をわかりやすく45分で伝えてくれました。その内容は・・・。
ほとんどの人が風邪をひくような状況でも、何故だか風邪をひかない人がいる。誰しもこんなことを身近で感じているのではないでしょうか。病因論からすれば、風邪の原因は○○ウィルスによる感染だとなりますね。一方で、風邪をひかない要因は何か?を追及してゆくのが健康生成論です。それが31日のテーマでした。番組では、リンパ球の割合で免疫力を現わしており、充分な睡眠によりリンパ球の割合が高くなったとのデータを示していました。
以前の私のブログにも「睡眠不足で感染リスクが高くなる」という内容で書いていますが、番組では新たなデータでその理由を説明していました。それは、リンパ節が自律神経(交感神経)により支配されているモデルで、充分な睡眠により交感神経の作用が抑えられリンパ節からリンパ球が出やすくなるというものです。リンパ球にはT細胞やB細胞などがあり、ウィルス感染やがん免疫の主役です。
現代社会は、交感神経が働き過ぎる社会で、その結果としてリンパ球の活動が低下しているのなら不健康社会と呼んでいいいでしょう。ノーベル賞受賞の本庶先生の研究材料もT細胞(リンパ球)でした。がん免疫においてもT細胞は重要な役割を果たしていますが、睡眠不足とともに便秘でもT細胞の働きに影響を与えるようです。
今年の第16回日本臨床腫瘍学会で、京都府立医科大学の片山勇輝氏より発表された内容では、本庶先生の研究がもとで開発された免疫チェックポイント阻害薬の効果が便秘の有無で差があるというものです。便秘のある人の方が免疫チェックポイント阻害薬の効果が出にくいそうで、腸内細菌叢が関係しているのではないか考察しています。私は、その他に「便秘=交感神経の働き過ぎ」の図式も成り立つので、31日のガッテンの内容と合わせても良いように思っています。
私なりにまとめた健康生成論の一覧表では、やはり生活習慣や睡眠や食事・運動・排泄などの日常の基本スタイルをベースにしてあり、間違っていないことが確認できました。ごちゃごちゃして見にくいので、もう少しスッキリとまとめたいと思います。
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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局 廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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