トイレ、その後に

 スプレー消臭剤の話ではありません。日本人の清潔志向は「臭い」にまで及び、消臭剤のCMを見ない日はないでしょう。最近は「スメハラ」なる言葉も登場し、新たなハラスメントとして定着しているようです。そして、他人の臭いには敏感でも、自身の臭いには気づきにくいため、周囲の人の反応を「自分の臭い」によるものと勘違いしてしまう「自己臭症」も増えているようです。何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」で、許容範囲が狭いと住みづらい社会になってしまいますね。

 それでですね、トイレの後にすぐ流してしまうのはもったいないのです。毎回でなくても構いませんが、せめて1週間に1〜2回は自分の小便や大便をチェックしてみませんか。「便」は「べん」とも読みますが、「たより」とも読みます。自分の身体の情報を伝える便りですから。

 小便では、色や泡の有無をチェック。無色〜淡黄色で、ほとんど泡のない尿が正常。汗を多量にかいた後では黄色も濃くなりますが、褐色や赤色であれば何かの異常事態が発生している可能性大。医療機関で早めにチェックしてもらいましょう。尿の臭いも、排尿直後であればほぼ無臭なので、臭いがあれば異常を疑うサインです。市販の尿試験紙を使ってもいいですね。尿の性状だけでなく、排尿時や排尿後の違和感・不快感も何かのサインです。排尿は生理現象ですから、排尿後はスッキリするはずです。

 大便も、色や形をチェック。黄色〜黄褐色で崩れない程度の硬さなら形もバナナ状になるでしょう。下痢では形はありませんし、便秘ならゴツゴツした硬い便やコロコロした便になります。一時的なものでなければ、過敏性腸症候群のような病気を疑うサインになります。便臭は赤ちゃんでもなければ、ある程度の独特な臭いは防ぎようがありません。しかし、悪臭となれば話は別。大便の1/3を占めると言われる腸内細菌のバランスが崩れていると思われます。

 腐敗菌が増えやすい食事内容により悪臭が発生しているのでしょう。主にタンパク質と考えられますが、タンパク質を減らすのではなく野菜などの食物繊維を増やして相対的にタンパク質を減らすことで改善するはずです。食事のバランスも良いのに悪臭や腐敗臭があるなら、肝臓疾患や腎臓病などの病気を疑う必要があります。自覚症状がなくても内科でチェックしてください。短絡的にスプレーで誤魔化さないように!

 そして排尿と同じように、排便時や排便後の違和感・不快感があればやはり何らかの異常を知らせるサインと受け取りましょう。「当たり前」ではありません。生理現象ですから、スッキリする方が自然なのです。

 こんなことをチェックして、それでもスプレーしたいならどうぞご自由に。でも、気になるサインがあれば早めに相談してください。


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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