乳児の夜泣きへの対処法

 先日、当地長岡市で、31歳の母親が生後3か月の乳児を床に落として死亡させる
という残念な事件が起こりました。訪問していた助産師や保健師には「夜泣きで十分
眠れない」ということを話していたようで、心療内科を受診するつもりだったよう
です。

 今回の事件を通して一般的ながら対処法のいくつかをあげてみたいと思います。
まず、母親は「眠れない」と訴え、心療内科の受診を考えています。育児疲れがあり
眠れないので、日頃の苦労を傾聴し労い眠剤を処方して、心身を休めてあげることで
気持ちに余裕ができ辛い現状を脱出するアイデアが生まれるでしょう。

 眠剤の処方は医師以外はできませんが、話を聞いて日頃の疲れを労うことは誰でも
できます。それだけでも、本人の気持ちには大きな変化が生じたことでしょう。
辛い現状を理解してくれる人が身近に存在することは、現代社会を生きる私たちに
とって、とても重要なことなのです。(家族>友人>行政・社会)

 私は最近、陰陽モデルを使って説明することが多いのですが、不眠症のほとんどは
陽>陰というアンバランスが原因と考えられます。眠るには陽≦陰でないと、良質な
睡眠となりません。ここで、陰・陽は東洋医学的・哲学的な概念で、陰とは身体を
構成する物質であり副交感神経を、陽とは身体機能や交感神経を表します。そして
重要なこととして、陽の暴走を防ぐブレーキとしての役割が、陰にはあります。


 母親は産後でありベースとして陽>陰という状態であった上に、授乳や夜泣きなどで
陰を養って増やすというアンバランスの是正ができていません。栄養と休養は、陰を
養うのに最低限必要なもので、産後の滋養の大切さを改めて考えさせられます。
漢方薬では、血虚に使用する補血薬が相当します。

 乳児の夜泣きにも、陽>陰というアンバランス状態が一つあるでしょう。ただ、
使用する漢方薬補血薬よりは安神薬が適しています。乳児にも飲める美味しい
漢方薬があるので知識として覚えておいて頂ければと思います。

 そして、もう一つは、乳児の「寝言泣き」という現象。これは成人のレム睡眠
相当する睡眠状態です。寝ている状態なので、あやす必要は全くなく、そのまま
放っておくとノンレム睡眠に相当する深い睡眠になります。「寝言泣き」は成長と
ともに自然と減少してゆく「夜泣き」なのです。

 「夜泣き」なのか「寝言泣き」なのかは区別が難しいと思いますが、過敏に反応する
のではなく、時にはスルーすることがあってもいいのではないでしょうか。
そんな余裕を持つためにも、家族のサポートは非常に重要に思います。

 

  漢方薬東洋医学の相談、心療内科と心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局
  薬剤師・心理カウンセラー  廣橋 義和

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