先週、東京での東洋医学会に参加してきました。久々に懐かしい仲間との対面も
あり、互いの持論を主張しあっての日程はあっという間に過ぎました。
その日程の中で、ポスター掲示されていた発表に「化学物質過敏症」があり、
興味深く見させていただきました。発表者は東洋医学的には、化学物質過敏症は
水毒(水滞あるいは痰飲ともいう)の関与が考えられると結論を出していました。
ポスターを見ていた他の参加者とも話し合ったのですが、水毒の関与があるに
しても、他の要因も複雑に絡んでいるのが化学物質過敏症だという点で、私たちは
一致しました。
私は、化学物質過敏症は線維筋痛症や慢性疼痛と同じように中枢感作が生じて
一般の人よりも過敏に感覚神経が反応していると考えています。そうすると治療法
としてのアプローチは、心身医学的な方法が中心となると思うのです。
もちろん、東洋医学的に水毒などの徴候があれば、身体面からのアプローチとして
漢方薬を使用します。たぶん、瘀血や気鬱なども併発しているはずなので、その部分も
調整する必要があるでしょう。
その上で、心理面からのアプローチとして、認知行動療法であったり、自律訓練法や
マインドフルネスであったり、催眠療法やブリーフサイコセラピーなどを使用すること
が大切となります。
以前の私だったら、漢方薬のみで治すよう考えていたでしょう。心療内科学会に入り
心身医学を学ぶうちに、より全人的に病気をとらえるようになりました。その結果と
して、漢方薬をスムーズに中止できるケースが相当増えています。
私が参加する研究会に東洋心身医学研究会がありますが、心療内科学会に所属する
人が多いものの、心身医学的なアプローチを交えた発表は少数のように感じています。
増加する一方の、慢性の機能性疾患に対して、漢方薬と心身医学的アプローチは両方
セットで使うことが重要だと、改めて思い直した東洋医学会でした。
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長岡の相談薬局・ひろはし薬局
薬剤師・心理カウンセラー 廣橋 義和
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